ロゼアンナ          マイ・シューヴァル、ペールヴァーレー

角川文庫  ROSWANNA  高見 浩訳

運河にたまった泥をさらっていた浚渫船が、水門近くで全裸の女性死体を見つけた。
目撃者も知人からの連絡もなく、捜査は難航を極める。
ところがインターポールを通じて、アメリカから問い合わせがあり、見事に一致、被害者は図書館に勤める女性で北欧を一人旅していた者だった。
そして彼女の孤独で淫乱な性格が次第に明らかになる。
観光客の撮った写真とビデオをすべてチェックしたところ背の高いのっぽのスウェーデン人男性が浮かんだ。
目撃者の女性は後難を恐れて失踪したが、離婚した元の妻の証言から運送会社の男を特定。
ところが一緒にいたと言うだけで証拠が無い。
そこで囮捜査をすることにし、妙齢の婦人警官に彼をアタックさせる。
なかなかしっぽを見せなかった犯人だが、ついに成功。
運送会社の男はそうして自分にアタックをかける女性が汚く見えた、抹殺しなければならなく見えたのだという。

寒い北の町の情景と共に、マルテイン・ベックの妻や子との関係において実に泥臭く描かれている。
スウエーデン警察の特性、インターポールの捜査のやり方も見逃せない。
ただ、殺人犯の犯行を犯す心的背景の記述、ロゼアンナがそのようになった理由の書き込みは今一歩の様に思った。