真犯人    パトリシア・コーンウエル

創元推理文庫 CRUEL & UNUSUAL 相原 真理子 訳

ワデルは、10年前に女性ニュースキャスターネイスミスを殺害したかどで逮捕され、電気椅子で処刑される。その際、自分を殺しても新たな犯罪が起こる、と言うことを暗示する詩を残す。
やがて買い物に出た少年が、ネイスミスと同じ様な殺し方で殺され、生前のワデルと親しく手紙をやりとりしていた女性霊能者デイトンは、現場にワデルの指紋を残して殺される。
捜査を開始したケイ・スカーペッタのコンピューターファイルに進入したらしい部下のスーザンが殺され、嫌疑はケイ自身にかかってくる。そして彼女は州知事のノリングに呼び出され、休職を命ぜられた後、起訴一歩手前まで行くが、幸い恩師で死刑反対論者の弁護士グルーマンの活躍で救われる。
その後も刑務所長の殺人などが続き、同様の事件が広がる。
真実はワデルがネイスミスを殺す直前、州知事ノリングは彼女との情事にふけっていたが、その際自分のバッグを忘れてきてしまった。
それを部下に取り返すよう依頼するのだが、部下はその役を刑務所にいたサリバンという男に依頼、出所させるが、こいつが殺人狂。次々と関係者や時には少年のように無関係のものまで殺していた。指紋はネイスミスの指紋データを改竄してサリバンのそれと入れ替えたものであった。
かなりプロフェッショナルな知識が随所に現れ、現代の犯罪捜査の一端をのぞかせているところが面白い。パスワードを探しだし、他人のファイルに入り込んだり、すでに消されたデータを復元する下りなどは著者のプログラマーとしての経験が生かされている。冒頭、ケイが処刑されたワデルの検屍を行う場面がおどろおどろしく迫力がある。

・検索するコードは「傷害」、「切断」、「カニバリズム」、「歯形」と言ったところかしら。それから「「えぐる」、「皮膚」、「肉」と言った言葉とそれを様々に組み合わせたものをフリーフォーマットで探して貰いたいの。(49p)
・きっかり11時2分に、1回目の電流が流されました。2500ボルト、6.5アンペアです。ついでに言うと、2アンペアで人間は死にます。(74p)
・青色金属蒸気アーク灯・・・・・肉眼では見えないような毛や繊維を、鮮やかなオレンジ色で光らせる。・・・精液のシミや麻薬の痕跡などがくっきり浮き出る。(177p)
・鳥と飛行機事故の因果関係の調査(323p)
・ルミノール反応より明快な血痕調査技術(404p)
・発信者番号表示装置(35p)
・エンハンサーによる見えない文字の読みとり

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