ハヤカワ・ミステリ文庫 MIDNIGHT PLUS ONE 菊地 光 訳
レジスタンス時代の闘士で、いまはビジネスエイジェントをやっているケインはオーストリアの実業家で婦女暴行容疑で訴えられているマガンハルトをブルターニュからリヒテンシュタインまで運ぶ仕事を引き受ける。
同行者は他に相棒でアル中のロヴェル、マガンハルトの秘書のジャーマン。
目的は欧州電気事業界をぎゅうじる持株会社の総会出席。
株主は3人、マガンハルト、リヒテンシュタインにいるフレッツと言う男、そして最近航空機事故で死んだヘリガーの株を引き継いだというカレロンと名乗る男。
立会人にマガンハルトの弁護士メラン。 しかし、マガンハルトの出席を拒もうとする勢力の動きが活発。
輸送に使うシトロエンを受け取りに行くと中で運転手が殺されている、峡谷では欧州一のガンマン、ベルナールにおそわれる、列車の中ではフランス警察のグリフレにつけられる・・・・。
ようようのことでリヒテンシュタインとスイスの国境、しかし国境はすべて封鎖されており、彼らは産業スパイ、フェイ将軍の助言に従い、要塞を越える。
そしてもう一人の欧州最強のガンマンアランとの対決。
しかし国境を越え「フレッツが殺された。」とかけつけたメランに対し、ケインの銃が火を噴く。
「ヘリガーの株は身につけていたはずだから、死亡時に失われたはずだ。
マガンハルトが軽犯罪で服役しているときに君は株を預かった。
君はカレロンという架空の人物を作り上げ、二人を争わせたように見せかけマガンハルトを殺し、さらにフレッツを処分しようとしたのだ。」
筋立ては単純なのだが、リアリズムと切迫した臨場感で非常に楽しめる作品になっている。
危険な旅をしている気持ちにならせるところと登場人物のそれぞれの過去が現在に影を落とすところと武器や自動車のうんちく話とそんなものが特に面白い。