血の収穫   ダシール・ハメット

創元推理文庫 RED HARVEST 田中 西次郎 訳

コンチネンタル探偵社の支局員のおれ(オプ)は、鉱山町バーンズヴィルの新聞社社長から小切手同封の事件解決依頼の手紙を受け取り、出かけるが、入れ違いに社長は4発の銃弾を食らって死んでしまった。
聞き出した話によると、この町は社長の父、エリヒュー・ウイルスンが40年に渡って肉も魂も皮も我がものにしていた。
しかし1921年の不況で、サヴォタージュ、ストライキが横行し、暴力団、ストライキ破り、州軍隊が暗躍した。
ウイルスンは勝ったが、終わったとき、自分の雇った暴力団の乱暴を許さざるをえなくなった。
彼らは老人の弱みを握ってしまったのだ。
密造酒のピート、質屋を経営し、暗黒街をぎゅうじるルー・ヤード、彼と懇意な警察署長のヌーナン、博打打ちのホイスパー・・・・。
ウイルスンは、彼らをたたくために自分の息子を新聞社の社長にし、キャンペーンをはらせたのだが、殺されてしまった訳だ。
そして男たちを手玉にとり、とにかく金を取ればいい娼婦ダイナ・ブランドの存在。
おれは、彼ら同志に憎しみのタネをばらまき、殺しあいを起こさせる作戦にでる。
ボクサーのブッシュ、杉の丘荘で4人の宿なしと刑事が一人、ルー・ヤード・・・・・次々と悪人同士の殺しあいが続き、最後はヌーナン、ホイスパー、ピート、ブランド全員が死体となって横たわる・・・・。
徹底したあきれるくらいのハードボイルド。
主人公の職務に徹した?働きぶりが妙な爽快感をもたらしている。

・もし女の子が、誰かの役に立つものを持ってるなら、それ相応のものをもらわなかったとすれば、その女の子はよっぽど間抜けよ。(55p)