ハヤカワ・ミステリ文庫 THE FUGITIVE 入江 真佐子 訳
往年の人気テレビ・ドラマが映画化されたが、それを小説化したもの。
理由無く妻殺しの疑いを掛けられた医師リチャードキンブルは死刑を宣告されるが、彼を 護送中の車が事故に遭った機会を利用し、脱走する。
連邦保安官補のジェラードの執拗な追跡を逃れる一方、かれは妻ヘレンを殺した「片腕の男」を探し求める。
追う側と追われる側の記述を交互に描き、臨場感を盛り上げ、スリル、迫力とも満点である。
実は友人でキンブルに親切だったニコルズが後輩のレンズと組み、製薬会社の新薬開発に伴い、データを捏造したのをキンブルに知られまいと考えての犯罪だった。
実行したのは彼等に頼まれたもと警察官のサイクスだった。
テレビ・ドラマではジェラードが単に憎らしい追跡者としてのみ描かれていたように覚えているが、この作品では彼も又途中から判決に疑問を持ち、真実を追及するところが人間的だ。
同時に犯人の捜査に膨大なコンピュータデータが駆使されるところが印象に残る。
* コンピュータデータの駆使