ハヤカワ・ポケット・ミステリ WILDERS WALK AWAY 西田 政治 訳
フリーライターのレイノルド・フレームは取材のためワイルダー・レーンなる田舎町を訪れ、ワイルダー一家に下宿する。
一家はマリーおばさん、ワイルダー嬢、エレン嬢の女3人。
ところがワイルダー一家には代々突然謎の失踪を遂げる人間が現れる伝統?があった。
そして伝統通り、突然エレンが失踪し、やがて死体で発見される。
次にマリーおばさんが失踪する。そしてフレームの手による地下室の発見。
過去の失踪伝説のうちの何人かはここで死体となっていた。
しかし、ワイルダー嬢の父は密室からお祭りの時に写真師が立てかけた梯子を使って脱出し失踪、別の一人は湖畔の砂浜の影への脱出による失踪だった。
捜査をするうちフレームはワイルダー嬢が好きになり、結婚することになる。
犯人はワイルダー嬢が捨てた元の許嫁のビルで、彼はワイルダー嬢のおじいさんが素性の怪しい女に産ませた子、一度は町を去ったが、財産と名声ほしさから戻ってきて関係者を殺そうとしたのだった。
何か暗い、陰鬱な感じの推理小説、ある面では怪奇小説とでも呼んだ方がよいのかも知れない。
失踪と言うとたいていはびっくりするのだけれど、地下室ときいて「何だ。」という気になってしまう。殺人動機も平凡な感じがする。
ただ本格推理という点では評価出来、特に二つの脱出トリックは面白い。