ハヤカワ・ポケット・ミステリ WILD TURKEY 木村 二郎 訳
二人の子持ちでマリワナとハッシシを常用するユダヤ人私立探偵、モーゼス・ワイン
作家のジョック・ヘクトから
「ニュースキャスターのデボラ・フランクが殺され、殺人の疑いをかけられている。
私のアリバイを握る女性が消えた。探してほしい。」
という依頼。
ところがしばらくして当人が自殺、アリバイを握る女性はリンチを受けた後、排気口につっこまれて死んでいた。
やがて、探偵は性解放研究所等キューバ人グループとその影のボスで州法務長官のフランクデイクターを知る。
このグループと服役中のマイアー・グリーングラスが中心のユダヤ人グループが対立していた。
デイクターは自分の弱みを握るテープを探していた。ワインはデイクターがこれに絡んで殺人事件を起こしたと考え、追求する。
一方でヘクトの妻ナンシーと良い仲になる。
しかし、実際はヘクトと契約結婚したはずのナンシーが情事の現場に遭遇し、かっとなってヘクトを殺した、ヘクトは自殺、その時ヘクトの持っていたテープをユダヤに売ったキューバ側の女性は殺されたと言うことだった。
この辺の契約結婚だから相手は何をしても良いはずなのに、実際に浮気をされるとそうは行かないという女心が良く書かれている。
最後にナンシーは自首しようとするが、ワインの目の前で撃たれる。
ナンシーに殺されたフランクはグリーングラスの実の子で、彼の手先の犯行。
主人公の不完全な人間くささと日常生活にも追われる小便臭さが一つの魅力になっている。
新鮮なハードボイルドという表現があうのだろう。