笑う警官     マイ・シューバル、ペール・ヴァーレー

角川文庫 THE LAUGHING POLICEMAN 高見 浩 訳

ベトナム反戦デモで荒れた夜、ストックホルムの市内を循環する2階バス内で軽機関銃乱射事件が発生、運転手を含む乗客9人全員が死亡した。
その中には殺人課主任マルテイン・ベックの部下ステンストルムが含まれていた。
なんの目的でこの犯罪がなされたのか皆目検討がつかぬうち、日時が過ぎ、住民の非難が高まる。
ステンホルムと身元不明の男一人の乗った方向だけが検討のつかぬものだった。
ステンホルムの身元に残された品から、彼が個人でむかしの未解決に終わった女性死体遺棄事件を追っているらしいことが分かった。
身元不明の男は麻薬患者だった・・・等から次第にステンホルムが犯人を尾行しているうちに逆に襲われてしまったらしいことが分かる。
最後に一人病院に運ばれた男の最後の供述、身元不明の男が金を十分に持っていたこと、女性死体遺棄事件で現場にいた不振な車ルノーが、実は前から見るとモリスとほとんど同じに見えること、などから犯人が絞り込まれる・・・・
警察官の生の生活、活動が描かれた興味深い作品である。

・パパがおまわりさんだっていうことを・・・・黙っていることにしているの。ううん、恥ずかしいと思っているんじゃないのよ、ただそれを言っちゃうとすぐに議論に引っ張り込まれて、私が全警察の代表みたいな形でしゃべらなきゃならなくなっちゃうんですもの。(26p)
・「香料つきの爪楊枝がどうとかって?」(155p)
・大量殺人犯の性格 「年齢はおそらく30歳以下、アルコール類はたしなまないとは断言できないが、禁酒主義者だと考えた方が妥当だろう。体つきは小柄で、奇形、ないし何らかの肉体的欠陥に悩んでおり、そのため普通の人間とあまり接触したがらない。地域社会においても大した役割は果たさず、苦労して成長した経験を持っている。両親が離婚していたり、自信が孤児である場合が多く、愛情に飢えた幼年時代をすごしたと考えていいだろう。」(186p)

* 無差別殺人、大量殺人