ハヤカワ文庫 THE EAGLE HAS LANDED 菊池 光 訳
1943年、敗色濃厚なナチスドイツ軍は、ヒットラーの思いつきでチャーチルを誘拐しようと考えた。
女性スパイジョウアナ・グレイの連絡で、3月のある日、チャーチルは週末を過ごすために、お忍びでイギリス東部ノーフォーク州の寒村にやってくる事が分かった。
シュタイナ中佐を中心とするドイツ落下傘部隊がその任にあたる。
地形調査などスパイとの連絡。ヒムラーの父親を使ってのシュタイナ恐喝。
輸送用飛行機の手配。英国式パラシュートの実施訓練。元イギリス自由軍兵士の教育等々。
計画は完全に見えたが、グレイとの連絡及び工作で先に行ったIRA戦士デヴリンは村の娘と恋に落ちてしまった。
機材購入のために闇屋と折衝したが、喧嘩となり相手を殺してしまった。
それやこれや陰謀の一部が漏れた。その上、近くで演習をしていた米軍特殊部隊が彼らの計画に気づいてしまった。
その上、川に落ちた子供を助けようとした隊員が事故で死に、彼らがナチスであることがばれてしまった。
しかたなく部隊は村人をすべて捕らえ、村を封鎖し、チャーチル到着を待つ事にした。
しかし、チャーチルは逃れ、彼らは米軍特殊部隊と対峙する事になったが、こうなっては落下傘部隊に勝ち目はない。
一人、二人と最後を遂げ、最後にデヴリンと副隊長リタアは本国に逃れ、一人残ったシュタイナはついにチャーチルを襲うが殺される。
この作品は50%は歴史的書類がのこる真実だそうだ。
よく調べて書かれており、本当らしい味が素晴らしい。
ナチス兵士を悪者として扱わず、彼らを一個の人間として捕らえ、その軍人としての魅力を引き出していることが特色になっている。
・私はあなたを心から愛している。だからといって、あなたの正体や、やっていることを認めているわけではないし、
理解すら出来ない。でも、それは別問題なの。愛は全く別の事柄よ。(467P)