ウッドストック行最終バス   コリン・デクスター

ハヤカワ・ミステリ文庫 LAST BUS TO WOODSTOCK 大庭 忠男 訳

夕闇せまるオックスフォードで、若い女性二人がウッドストック行きの最終バスを待っていたが、なかなかこない。二人はとうとう「赤い車」をヒッチして出かける。

ところが夜遅くウッドストック近くの「ブラックプリンス」という酒場の駐車場で、そのうちの一人、シルビアが撲殺されているのが発見された。 この謎に天才肌のモース警部がルイス部長刑事とともに挑む。

まずシルビアと一緒に言った女性が同僚のジェニファーらしいのだがはっきりしない。男かもしれないなどと言うことまで検討される。ドライバーも同様。これに大学の英語講師バーナード、仲の悪い妻のマーガレット、バーナードの友人ピーター、第一発見者のジョン等がからみ、事件は複雑になる。 モース警部は次々と大胆な仮定を立てこの謎に挑むが、そのたびに読者はあちらにこちらに導かれる。

最終的にはシルビアと同僚のスーが、スーと愛人関係にあるバーナードの車をヒッチした。スーは後であうことを約して、途中で降りるのだが、後をつけるとバーナードは駐車場でシルビアとよろしく始めた。

バーナードの去った後、シルビアを車に使うバールで一撃。 一方、バーナードの不倫に目をつけていたマーガレットは、翌日のシルビア殺害を見て夫が遣ったと信じ、また夫の方はオックスフォードに戻る途中、マーガレットの車を追い抜いた事から妻がやったと信じ、それぞれかばいあう証言をする。

またスーと同室のジェニファーは実は雇い主と関係があり、この事件ではバーナードとスーの恋の連絡役を務めていた。

指紋とか髪の毛とかいった新しい技術を使わずに謎解きに専念しているところは面白いが、なぜスーが犯人でなければならないか、本当に殺す必然があったのかが弱い感じがする。 謎解き等やイギリス流のウイットにいくつか面白いところがある。

・もっともらしい英語の文章をよく見るといくつミスタイプらしきものがある。それを続けるとSAY NOTHING(しゃべるな。)になる。
・すべてタイプでうった遺書の謎
・犯人がノースオックスフォードにいるとし、彼は成人男子で35ー50歳、妻帯者、酒飲みも、頭の出来はトップの5%入り、魅力があり、赤い車を持っているとなると確率的には一人になると言うくだり。
・ウミガメのスープ、スモークド・サーモン、ヒレ肉料理を食べ・・・・・アジアやアフリカの飢饉の犠牲者を心に思い浮かべた。 <