ハヤカワ・ミステリ文庫 PROMISED LAND 菊地 光 訳
元ボクサーで喧嘩にはめっぽう強いが、優しさと頭の良さを備えた、しがない巨漢私立探偵、スペンサー。
探偵業を若干遊びと考えて取り組んでいるところが面白い。
男の魅力がぷんぷんしている。恋人は美人のスーザン。
彼女を心から愛し、セックスを感じるところが楽しく描かれている。
愛や結婚についての会話も一つの読みどころ。
さて、お話。
新しい事務所の最初の客は不動産業を営むという身なりの良い男、シェパード。
「出ていった妻のパムを捜してくれ。子供たちも待っている。」
しかし、話はそれだけではなさそうだ。
彼を訪問すると名うての貸し金取り立てやのホークスと行き違った。
パムは過激な二人のウーマンリブ活動家の元に隠れていた。
しかしパムは
「夫が愛してくれていることは分かるが、今は帰りたくない。」
本当はこれで仕事は終わりのはずだが彼は納得が行かない。
シェパードは高利貸しパワーズ等に追われる身。その生活にいや気がさしてでていったのだ。
シェパードはパワーズ等と「約束の地」なる別荘地を開発しようとしたのだが、親会社が倒産、インフラを整備しないと町の許可がおりないが、その金がないという。
パワーズは警察も何とか犯行現場を押さえて逮捕しようとしていたワル。
元々は彼らがはかって、元金を着服した上、シェパードの財産を取り上げようと考えたもの。
一方ウーマンリブ活動家たちはふとしたことから警官殺しをしてしまう。
そこでスペンサーは高利貸したちに貸し金の取り立てを猶予させようと、ウーマンリブ活動家にパワーズたちが大量の銃を売りつけ、商売の手数料でシェパードの借金を支払うと言う話をでっち上げる。
そして元警察官の彼は当局に連絡。罠である。双方を逮捕させ、自分はどろんという寸法。
最後に刑務所からでたパワーズに待ち伏せされるが持ち前の腕力と人間的魅了で難なく切り抜ける。
・でも、結婚式は、約束の具体的な表現なのよ。 人間は、通常、非常に深い意義のあることを儀式化するし、結婚は、愛を儀式化するための方法なのよ。(119p)