創元推理文庫 THE HOUSE OF THE ARROW 福永 武彦 訳
マリ・ハーロウ夫人が亡くなって、遺産を養女のベテイ・ハーロウが受け取ることになった。
しかし夫人の義弟のワベルスキーが、彼女を恐喝、失敗すると見るや、彼女が夫人を毒殺したのだと告発した。
彼女は、顧問弁護士のジェレミー・ハズリッドに救いを求めるる。
一方、告発を受けてパリ警視庁からアノー探偵がやってくる。
アノーはワベルスキーの告発を否定するが、一方で「ハーロウ夫人はやはり毒殺された。」とする。
毒薬学の本の発見から、何者かが故人のハーロウ夫人の夫が所有していたアフリカ人の毒矢の先についた「ストロファンドス・ヒスピドス」を用いたものと判明。
ベテイの友人で起居を共にしていたアン・アプコットは、金に困っていたことが判明した上、ベテイの10万ポンドもする首飾りがなくなったことから疑われる。
そしてベテイは、アプコットに捕まらないうちに逃げるよう忠告する。
しかし、アノーはワベルスキーが、町の怪しげな薬屋クラデルに出入りするベテイを見たとの証言、アプコットの夢見心地で見た犯行現場の証言、ずれていた時計の位置、脅迫状等から、犯人を推定し、今は廃屋の隣家で網を張る。
そこにベテイと女中のロラールが、後ろ手に縛ったアプコットを連れ込み、殺害しようとし、犯行が白日の下にさらされる。
実際の時計が、1時半を示していたのに、暗闇では鏡に映った像が見え、10時半の様に見えたというトリックは面白い。犯人は遺産分配の話から比較的早くに推定がついた。
しかし、論理的に細かく積めて行くところは面白い。