ちょっと探偵してみませんか      岡嶋 二人


講談社文庫

推理問題集だが、すべてオリジナルな上、一般に出回っている作品に較べるとストーリーにそれなりの工夫がされていて面白い。巻末に新保氏が難易度をつけているので私も自分なりにつけてみた。
ラスコーリニコフの供述
明るいところから、暗いところは見えない。
難易度 私C 新保氏B
誰が風をみたでしょう
4ケタの電話番号はよく銀行の暗証番号に使われる。
難易度 私B 新保氏B
三年目の幽霊
鍵一点に絞って、盗みだし、合い鍵を作るチャンスを考える。
難易度 私B 新保氏A
曇りのち雨
傘は使わないとぬれない。(使った後かどうか分かる)
難易度 私C 新保氏C
Behind the Closed Door
発見者が犯人に死体移動を組み合わせる。面白く使えそうな発想。
難易度 私A 新保氏B
ご注文はおきまりですか
暗号文の伝達。他に候補がいなければ自分のところに来るとの読み。面白く使えそうな発想。
難易度 私C 新保氏B
ボトル・キープ
触っている筈のボトルに指紋がついていないのはおかしい。短編「がんじがらめ」にこの考え方が使われている。
難易度 私B 新保氏B
マリーへの届け物
国名とアイウエオの組み合わせ暗号で平凡。
難易度 私C 新保氏A
水の上のロト
明るいところから、暗いところは見えない。ラスコーリニコフと同じ。
難易度 私B 新保氏B
死後、必着のこと
胃の中にマイクロフィルム入りカプセル。推理させるのは無理。
難易度 私A 新保氏C
煙の出てきた日
煙草の吸い殻には灰が必要。比較的面白い。
難易度 私B 新保氏C
高窓の雪
水鉄砲で毒物を飲ませるところは面白い。指でダイイイングメッセージを書いたはちょっと推定困難。
難易度 私B 新保氏A
断崖の松
ライトをつけていたから、松にそれが映ったはずだ、だから出会い頭はないという考えは分かるが、車を突き落としたかどうかは分からないと思う。
難易度 私C 新保氏B
組長たちの休日
やられた。確かに黒沢が隠れているのを知っていたのは紺野だけ、という考えお面白い。
難易度 私B 新保氏C
最後の講演
ウイスキーを飲みながら講演し、途中で青酸中毒で死んだ。青酸カリはウイスキー瓶に入っていたと見せかけ、じつはそうでないという考えは容易に推定がつく。煙草に青酸カリをしこむやり方は西村京太郎の推理小説などにある。
難易度 私B 新保氏B
愛をもってなせ
電話はかけた側が切らない限り通話状態が続くというアイデアで、他の作品でも使われている。阿部が回すダイアルの音から電話番号を推定する話は面白い。
難易度 私C 新保氏B
明かりをつけて
風呂にソケットを投げ入れ、停電にさせ、そのままブレーカーを元に戻してもつかない筈、と言うのはやさしい。しかし、自動車側から引いたと言うのは気がつかなかった。
難易度 私B 新保氏B
ルームランプ
犯罪に用いたランプに、購入元の指紋がついていた、購入元が前科者だったために足が着いたというのは面白いアイデア
難易度 私B 新保氏B
机の中には何がある?
カメラの隠し場所の話だが、これはやさしい。
難易度 私C 新保氏C
穏やかな一族
ゆっくり閉まって行くドアの影に隠れて、自分の部屋に入り、あとから発見者を装うアイデアは他にもあるが・・・。
難易度 私B 新保氏B
酔って候
クリスマスカードの投函先から、被害者がいったん寮に戻っていたはずだ、被害者はそこで殺されて発見場所に運ばれたと言うのは面白いアイデア。
難易度 私B 新保氏B
シェラザードのひとりごと
犬の告白が面白い。盗聴器を犬の首輪に仕掛けるアイデアは案外仕えるかも知れない。
難易度 私B 新保氏B
聖バレンタインデーの殺人
私は圭介が籤で自分の作ったチョコレートを秀夫にひかせた、と考えたが、一つを除いて全部毒入りというのは面白いアイデア。
難易度 私A 新保氏A
奇なる故にこれをのこす
暗号解読物もここまですると面白い。風呂敷という文字列はすべて奇数画なんですね。作者はこの単語からあのもっともらしい表を捏造したに違いない。
難易度 私A 新保氏A
たった一発の弾丸
考えさせておいて、実は玉がはずれたからと言うのはまいったなあ。
難易度 私B 新保氏B
評価は25のうち14が一致していた。AとC両方に分かれたのはマリーへの届け物と死後、必着のことだが、私は前者は推理としてはやさしいと思う。後者は推定のさせ方に無理があるように思った。