集英社文庫
私はナゲット刑事。ボルテイモア・ワシントン国際空港にミスター・サラシーナ(更科)とその娘ニッキが到着した。普段なら私の母を加えて埠頭わきのレストランでカニ料理でもふるまうのだが、いまいましい爆発事故が起こってふっ飛ばしてしまった。
沼の側にたたずむアシヤ家でダイナマイトらしい爆発物が爆発、家は沼にほとんど沈んでしまったのだ。家にはアシヤ家の腹違いの兄妹が住んでいた。病気でふせっていた妹のメアリアンは二階玄関付近で発見された。しかし「ユーラルーム」(われ発見せり)なる言葉を残して息絶えた。警察には「諸君は「アッシャー家の崩壊」を発見するだろう。」との怪電話。そして棺が一つなくなった。ロバートは行方不明になっていた。
彼らに刑事のロンとヤース、主治医のタイラは博士等が加わり事件の捜査が進む。アシヤ家屋敷の初代の持ち主エイブの分かれた妻マリー・トッドが銀ぎつねのコートをちらつかせて現れる。彼女は何か日本に住むアシヤ家の関係者ケニチ・アシヤと組んで財産を要求するらしい。エイブが集めたポーの手紙を廻って小説「ベレニス」を思わせるジャクリーン・カネダなどの美人美術商が暗躍する。さらに不思議なことに長年アシヤ家に仕えてきたワシド夫妻は事件の直前に暇を出されている。これらの事実がますます事件を複雑にして行く。
やがて沼の底からロバートの爆発によって損傷を受けた死体が発見された。屋敷内の放置されたような小屋でカネダの死体が発見された。そして部屋の中央にはあの棺。さらにその小屋の地下の真新しい壁の中からワシド夫妻の娘チェリーの死体が発見された。頭を斧で叩き割られ、片目の無い黒猫プルートと一緒に。しかし発見と同時にプルートは小説「黒猫」よろしく姿を消した。
この難解な謎にニッキが挑む。犯人にそそのかされたメアリアンが、財産奪取を目ろんで死んだふりをする。犯人の補助でロバートは本当に死んだと思いこむ。しかしロバートは彼女を心底愛していたから、自殺を考え、爆薬をセットする。爆発!しかしそれは棺から這い出してきたメアリアンも巻き添えにした。後は犯人が事件をポーの小説にこだわっているように見せかけながら、目撃者等を次々に殺していった…・。
トリックよりもポオの作品に基づいた見立て殺人で貫いているところが凝っている。またニッキという若い女性探偵と鮮やかな推理も魅力である。
ただ作者は日本文よりも英文を書くほうが慣れているのだろうか。この作品は英文で書いてそれを学生か何かに翻訳させたのだろうか。外国作品の訳文として読者に読ませたかくてこんなことを下のだろうか。日本文としてみると非常に読みにくい、と感じた。
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