文春文庫
死者の嘘
リッチなOL、白根蕗子が殺され、現場には血で書いた可の字。可児征男が疑われるが覚えがなく、彼は友人の鳥越等に相談して真犯人究明に当たる。ダイイングメッセージが無理矢理被害者が書かされたとしたら、という設定である。
ヘソの緒
長男昌和の死後1年、諏訪昌平はふとしたことで昌和が自分の子ではなく友人竹下慎一郎の子ではないか、と疑い、昌和のヘソの緒を鑑定してもらう。結果は昌和の血液型は彼ら夫婦の子でないことを物語っており、二人は離婚した。しかし後になって離婚された亜矢子が竹下の血液型を調べると彼の子でもないことがはっきりする・・。
普通列車の死
浜松三島間の普通列車の中でいづみ造園社長泉井寛が殺されていた。なぜ金のある忙しい彼が新幹線にのらずこのような在来線を使ったのか。やがて刑事達は静岡の一つ手前用宗という駅に泉井の女がいることを見つけだした。
鼓笛隊
略
遇わなかった男
弁護士中西行雄はかって離婚の世話をした女性加奈子の訪問を受けた。お手伝いに行っている一人暮らしの老人郷ノ浦欣造が殺され、自分が多くの遺産を受け取ると事に成っているらしいがおかげで警察から疑われている、なんとかして貰えないかと言うのである。彼女は事件当日故郷に墓参りに行ったがその折り別れた夫に会ったという。ところが中西が確かめると彼は会っていないと言う。とん挫したころ、加奈子が「山道でこぶのある老人を助けてやった。」と言い出す。果たしてその老人が見つかり、彼女に助けてもらった事を証言し彼女は無罪と成ったのだが…・・。
走り去った男
我が家か細身の若い男が走り去っていった。家の中に入ると妻の死体…。犯人の立場から事件を再構築して語り、読者を混乱させる一遍。
年一回の訪問者
資産家の老人板倉千造が散歩中に崖から落ちて転落死した。千造の家には養子で証券会社に勤める息子茂夫、嫁の辰子、娘二人が住んでいた。かって千造の嫁いびりはひどかったが、2年ほど前病気をして以来嫁を頼るようになっており、遺書には財産の半分を嫁に与える、とあった。しかし最近茂夫と辰子の中は悪くなっていた。そのような中、刑事は辰子のもとにピアノの調教師と称して1年に1回尋ねてくる男がいることを発見した。そしてその男吉国が自分の犯罪を見逃す変わりに辰子のために10年後に千造を殺すことを約束した書類が、茂夫から提出される…。
020629