本格推理(11) 鮎川 哲也編


光文社文庫

私の好みで評価をつけてみました。
A・・・すごい、すごい、僕には書けそうもない。
B・・・工夫はしてあるなあ。
C・・・悪くはないでしょう。
イエス/NO C
美容院で順番を待つ間に週刊誌で見つけたあの風魔京太郎の活躍。その思い出を書く。彼はかって私に気があるそぶり、シャーロックホームズのような鮮やかな推理を見せたが、勝手に私に婚約者がいると推定したが・・・・。会話がうまい。
屈折の殺意 C
探偵役が保険会社の損害査定員と言うところが特色。火災現場から女性死体、しかし彼女は三ヶ月前に殺されていたと分かる。保険が請求されるが機械は安物と分かる。鉄壁のアリバイは太陽光レンズ殺人と分かる・・・・。ちょっといっぱい詰め込みすぎた感じ。
黄金の指 B
ないはずの指をかざし、万病を治す男、しかしまっこうから対決する医者が出現、世間の話題に。ところが二人が同じ列車に乗り合わせ、男が消失。実は出演者全員が共犯という筋書きで、男を操っていたのは実は対立した医者。ちょっとやりすぎと思った。
JKI物語 B
図書館で教授が青酸カリ入りコーヒーを飲んで死んだ。ダイイングメッセージはJKI。
実はJKで水という字を示していると言う話。
完全無穴の密室 A
密室トリックものとして良くかけている。クレセントにひっかけた糸を洗濯機の心棒に巻きつけておくところが面白い。タイマーで動きだし、鍵が自然にかかってしまう。
さわがしい凶器 B
密閉された空調実験室で上から落ちてきた機材によって実験者が圧死する話。切断して、氷でくっつけておいた、それが解けて落ちた、と言うのだが物理的には苦しそう。
キャンプの出来事 C
いかに人に知られずにメッセージを伝えるかが謎。ガソリンスタンドの従業員が共犯で、伝えたい文章を給油口のキャップの間に挟み込んでおくというもの。今一歩と思う。
この世の鬼 A
殺したい者と殺されても良い者の密室での対決。折原一の作品では殺される側が鍵を飲み込むことになっているが、こちらは一度閉めたらもう開けられないと言うところがポイント。
面白い作品だ。
暗い箱の中で A
金曜日の夜、五人は課長を残してパーテイ会場に行こうとするが忘れ物に気づき、戻ることにする。途中で地震でエレベーターがとまるが、電気がつくと由紀子が刃物で刺されて死んでいた。部屋に戻るとロッカー室に課長の死体。誰かが、課長を殺したが、戻ってばれてしまうのを怖れて、由紀子を殺した・・・・。「死刑台のエレベーター」を思い出す。
怨と偶然の戯れ C(私に落ち度かな)
菊池図書館長がスプリンクラーではじかれた岩塩の球を凶器に見せながら、実は千枚通しで刺されて死んでいた。館長に妻と別れさせて結婚する予定の橋みどりか、それともサービス課の加藤か。わかりにくい作品である。
魔術師の夜 B
謎と解決編をきっちり分けて書いている。部長と同僚三人で飲みに行った私は最後になり、不思議な体験をする。短い時間の間にレストランを部長と一緒に燃やした話、白いビルが灰色にかわりなど様々な魔術らしきものが入っているところが面白い。
つなひき A
こう言うのは大好きだ。鎌倉の散策コースが問題だと言うので、読み出してみるとまるで観光案内。ルートが注意すると一重結びになっていて答えは「解けません」。解くには解けるようにルートをちょっと変更すればよい。その変更場所が答えだってさ。