角川ホラー文庫
肉体変貌を繰り返す女、屍食鬼の祭り、孤島を覆う蟹の群れに混じる死者、現実と見まごうだまし絵、自分の器官を収集する女、など、ちょっとついて行けない恐いもの集合!しかし作者の想像力が勝ちすぎて、わかりにくい部分も多かったように思う。読み終えるのに一苦労した。
宵闇色の種族
「脱ぎ捨てる場所」
若妻が実は鰐で、脱皮をする毎に美しい皮を残していた。ところが夫に発見されると言ういわば「鶴の恩返し」の鰐版。
「エイプリル・グール」
フールでなくてグール(屍食鬼)が問題。ヤリ手女社長の尻の下に敷かれた亭主が商売女を相手にしたが、逆に強請られて次々殺して庭に埋めた。ところが一家は皆グールで4月に晩餐会を開くことになっていた。
「潮招く祭」
島で行われるオミオクリの夜に若者が恋人を連れて戻ってきた。太鼓の音と共に、死者は蘇り蟹や蟹のお化けとなって海に戻って行く。
掌上のカーニバル
外国映画の怪物、フランケンシュタイン、ゾンビ、そんな恐ろしい物を封じ込めた自動販売機をとうとう壊してしまう「四角い魔術師」ほか「「よけいなものが」「天井桟敷」「ロマンチスト」の3編を収める。
アスファルトを這う
「俺たちを消すな」
「だまし絵を描く落書き野郎たちを捕まえようと」マーウイ巡査部長とジェスが出動。しかし絵が現実とないまぜになって…。
「魔女の巣箱」
四角い闇の中で彼女は目覚める。人間を次々に補足し、その部品を自己に取り込んで最高の女になろう。獲物が来た。緑の触手が動く。
「使者の待つ公園」
高校学園祭に招かれた僕は後輩の岡橋郁子と良い仲になったが、7人組みの暴走族に襲われた。レトロ・グッズの館で正義の使者に変身した僕は復讐に立ち上がる。
天幕の裂け目から
「消防車が遅れて」
火事よりも消防車が見たかった男の子の話。
「舞台恐怖症」
舞台恐怖症に取り付かれがロック歌手が、時空を落ちていった先は?鵺を撃ち落とした源三位頼政が喝采をあびる。
「レッド・キングの復讐」
僕はどくろ怪獣レッド・キングになった。そしてスペシウム光線をもつウルトラマン対決する。
ほかに「シネマハウスで逢おう」「残されていた文字」を収める。
異形の未来図
「死霊見物」
私は廣澤君と死霊見物に出かけた。死霊に食われた廣澤君は死霊を操っているワークステーションを見つけた。ひょっとしたら僕もワークマンに操られているのかも…。
「象のいる夜会」
森の奥の城で行われた夜会。主催者はあの<大隠蔽>によってもう見ることの出来なくなった動物達を見せてくれた。しかし毬をもったパルは写真を見て「これは象さんじゃない。」外では海亀のようなひれを動かしながら象さんが波間に巨体を沈めようとしていた。
「傀儡座」
妻の浮気を知り、電気鞭を使ってサーカスのゴリラを動かし、復讐しようとした男がいた。しかしゴリラにもネタはばれていた。
ほかに大自然が都市に対して起こした反乱を扱った「カフェ・ド・メトロ」を収める。
触手の狙うもの
「おどろ湯の事件」
若夫婦と子供は昔のままの故郷木馬通り商店街に行く。奴等は、この街を永遠にいまのままにしておくつもりなのだろうか。しかし奴等は良く見ると生者じゃなかった!
「十月の動物園」
マッチを握る手が臆病になったり、砂糖を入れないコーヒーが飲めず、幼児退行症候群とされた隆之は過去にさかのぼる。そして偶然に見つけた殺人事件…。
「とうにハロウインを過ぎて」
脚本に従って怪獣の衣装を着けたオマイリーは、本当の怪獣になってヒロコを襲う!
「海魔の吼える夜」
嵐の中を行くフリゲート艦「バックベアード」号。乗船する良平と涼子のもとに、今は海魔となった涼子の死んだ恋人ジョー・アユムラ中尉が復活する。一端は説得されて海の中に消えたアユムラだが再び海坊主となって船を襲う!
000307