詳伝社ノンポシェット
ジェンナーの遺言
都立荏原病院の柚木貴英のもとに、ハワイ旅行を終えて帰国した若い女性が高度安全病棟に隔離されたとの報が入った。日本予防衛生研究所で調べるとなんと絶滅したはずの天然痘にかかっていることが分かった。世界保健機構によって根絶宣言がなされた天然痘になぜかかったのか。
同行していた医者の酒井が姿を消していた。太平洋戦争末期結核菌爆弾を開発した丹羽教授に突き当たった。天然痘菌が結核菌の代わりに考えられた可能性はないか。酒井は丹羽の後を継いでいたのだ。菌は、日本から米国に輸送されたはずだったが、一部残っていたのではないか。
天然痘が絶滅された経緯など技術的な解説がなかなか詳しい。物語の構成、人物描写などは今一歩と言うところか。
いびき教授
男は、病的にいびきの激しい教授と同室になったが翌日なぜかけろりとしていた。「僕は自分でも分からないのですが夢遊病の傾向があるらしい。1年ほど前夜中に同室だった某教授が心筋梗塞で亡くなったのは、僕が夜中に何かしたかもしれないのです。」と教授に話したと言う。寝られなかったのは教授の方だったらしい。
夜行金沢行き
誤診で人を死なせたりすると、医者は悩み、しばしばスランプに陥る。小畑の属する研究室では、昔からそういう状態になった医者を、地方に出張させ、疑似恋愛をさせ、立ち直らせていた。
(1986、39)
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