講談社文庫
Mは妻に飽き、隣の会社のOLが好きになった。彼は妻を殺して保険金を取ろうと考えた。美登里は、夫と交互に生命保険をかけたがそのころから体調がすぐれなくなった。それは夫がくれる薬のせいかも知れなかった。
由紀は、彼にプロポーズされ、ささやかれた。「妻は大分弱っている。これを飲ませば死ぬ。」渡されたカプセルを病床の美登里に飲ませる。美登里が死に、由紀は彼に「あれはトリカブトだった。」と教えられる。さらに「あれがばれてしまった。おしまいだ、心中しよう。」と彼に誘われて、遺書を作成し、信州に行くが、崖から突き落とされて殺される。
かくして由紀が美登里を殺して自殺した事になり、保険金がおりる。
麻里は、唐突に客の水島にプロポーズされ、結婚する。しかし不審な夫の行動、入っては行けない部屋等々。そして同窓生望月の登場。望月に夫が麻里に飲ませる薬を調べてもらったところトリカブトと言う。Mにもとには由紀・美登里事件は君が犯人との脅迫。そして週刊誌にそれを暴いたかの様な記事。Mはあせる。麻里がその記事を知る。夫は、あのトリカブト事件の本当の犯人?。
そして夫の犯罪の証拠を得るための信州行。後から望月がつけてくる。ところが二人が杖付峠で対決し、はっきりしたことは、望月がMだったことだ。麻里は、夫との生活を取り戻したかに見えた。ところが望月の妻が登場し、麻里が、望月経由で彼女にトリカブトカプセルを飲まそうとしたと言い出す。そして夫と望月の妻の失踪。
水島の実家を尋ね当てると、母と弟夫妻が麻里のもとにやってきて、居着いてしまう。そして妙な薬を飲まされ、彼女は次第に弱って行く。そしてついに「彼らは麻里を殺し、彼女にかけられた生命保険を盗ろうとしている。」と知る。そして偽の夫が戻って来る。苦しい中、知り合いの目加田記者に連絡。ついに一家と対決。
しかし真実を白状させられたのは、麻里だった。彼女は夫および事件取材中に夫と関係の出来た望月の妻を殺し、杖付峠に埋めたのだった。
2度にわたり、読者をトリックにかけているところがこの作品の魅力である。望月がMだったと分かるところ、麻里が夫と望月の妻を殺し、一家はその証拠を取りに押し掛けてきたのだと言うところである。もちろん、やりすぎだ、と言う考えもあるかも知れないが、非常に凝った面白い作品と思う。これだけだまされると読後は爽快感すら残る。
・郵便局に頼んでおくと、郵便物は古い住所から一年間は転送されることになっている。延長の申請をすれば、さらにもう一年転送され続ける。(91P)
・妻が夫の誕生日パーテイを開くことになって、夫に内緒で、夫の古い友人を呼ぼうとするのですが、夫が今まで行っていた経歴が全部でたらめで、夫がとんでもない殺人鬼であることが分かるのです。(113P)
・年金型保険金と掛け捨て保険金。・・・・解約の可能性。(168P)
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