カウントプラン         黒川博行


文芸春秋ハードカバー

数字男、色魔、家庭ゴミからパンテイを探す男など一種の偏執狂にまつわる短編集といった趣。事件を警察側、犯人側双方から書き進めており、独特の迫力をかもしだしている。ストーリーに必要な専門的知識が良く仕入れられていると感心した。
カウント・プラン
映画「レインマン」を思い出しながら読んだ。スーパーに買った品物に購入品に瑕疵があると難癖をつけ品物に毒物を入れるとの脅迫状がとどいた。数に対して異常に敏感な福島は安井に雇われて来る日も来る日も金属メッキを行っている。スーパーでは熱帯魚が青酸化合物によって殺され、犯人から金の請求があった。捜査操作当局は安井近辺の捜査をはじめ、金の受け渡しの際に逮捕しようと網を張る。
・メッキの仕方(20p)
・捜査本部事件(本部長直接指示事件)(43p)
・計算症は強迫神経症の一種で、ほかにも疑惑賞とか穿鑿症、先端恐怖、不潔恐怖、密閉恐怖、疾病恐怖、赤面恐怖と、いろんな種類があるる。(64p)
黒い白髪
昔なじみの坊主と葬儀屋が喧嘩、坊主が葬儀屋をゴルフクラブで殴り殺してしまった。だが、なぜ?また葬儀屋はなぜ700万もの大金を持っていたのか。そして沢口総業当主の不振な死と車から発見された遺髪はなにを意味するのか。遺産がらみで当主を抹殺した息子とそれを知ってつけ込んだ葬儀屋、坊主の物語。
・死んでから時間のたったご遺体は、鼻や口から鼻水みたいな汁がでますねん。・・・・めちゃくちゃにくさい。(94p)
・白髪染めの主成分で、体内に吸収されると、肝臓毒、腎臓毒として作用する。パラフェニレンジアミン。(118p)
オーバー・ザ・レインボウ
何にでも色を付けて喜ぶ文字通り色魔男、そいつが人間にも色をつけようと考え、娘を誘拐した。別の熱帯魚窃盗で使われたスリングショットとパチンコ玉、それに現場の指紋をてがかりに捜査当局の必死の追跡が始まる。
・スルングショット(130p)
うろこおとし
幼なじみで仲の良い下川辺由岐と田代恭子、静かに話しあっているように見えたが、突然由岐が用意した出刃包丁と鱗落としで恭子におそいかかった。恭子がそれを奪い取り、気がついたときには殺していた。かんかんに怒る由岐の夫。しかし調べて行くと、この殺人には何か裏がある・・・・。
・離婚訴訟を起こそうとしている配偶者を殺し、親権者として財産を奪う。(211p)

家庭ゴミを盗み、パンテイなどを発見して密かに喜ぶ今村。ラブホテルで殺されたホステスの死体からハムスターの毛が発見された。捜査を薦めるうちに今村が浮かんできた。しかし今村はハムスターを飼ってはいない。