光文社文庫
作者の他の作品と違って海外の旅をベースに、そこで知り合った女の謎を解くと言うことがメーンテーマになっている。なんとなく現地を旅するような気分にさせるところが楽しい。ただ本格ミステリーを志向する向きからは、謎がちょっと安直と取られるかも知れない。
インドネシアの恋唄
突然、主人公は、抽選で当たったからインドネシアの旅に招待する、と言われ、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、バリ島の旅に出掛ける。ジャカルタでベチャに乗り、食事に行くと、その後、妙なところに連れて行かれ女を買う羽目になった。その女エコ・サリとボロブドウール見物などを行う。すっかり彼女を気に入った主人公は女の故郷バリの田舎の村に行った後、日本に行こうと誘う。ところが二人はしばしば襲われ、主人公の元には「その女は危険だ。別れなさい。」などの脅迫状が届く。ようやく彼女の故郷にたどり着くが、まもなく彼女の父親が殺され「これはあなたのせいだ。ホテルに戻り、ブデアンタさんから、ガルーダ神を受け取るのです」とまた奇妙な脅迫状。二人はなぜ襲われるのか、ブデアンタさんとは何者か、ガルーダ神と何か。謎が深まる!
見えない女
パリ=ダカールラリーを舞台に、日本の青年がフランス娘と恋に落ちるという壮大なラブロマンス映画を作るプランを胸に、パリに飛んだ私はマリーフランス・テネロープを紹介された。彼女はフランス映画界に顔が利き、非常に豊かな生活をしているようだがどのような人間なのだろうか。分からない。彼女の部屋に行くが私は怖くなって何もしなかった。すると彼女はその日を境に私にずいぶんきわどくなった。そうしてある晩彼女は私の要請であのカトリーヌ・ドヌープを呼びつける、と言いだした!何者なのだろう、彼女は?
一人で食事をする女
赤いメルセデスに乗り、ベルリンの高級レストランで食事をするその女を見つけた。ところが彼女は次にあったとき、娼婦街で他の娼婦達に「スパイ!」と呼ばれあざけられていた。驚いたことに次にローテンブルグで彼女は太ったアメリカ人と一緒だった。しかし彼女は彼はお気に召さないらしく別れたようだった。それがきっかけとなって私は彼女と話すようになったが、大学生で私の目的としているルードウイッヒ2世に詳しかった。彼女の案内でフッセン、ミュンヘンなどの彼のゆかりの城などを見学し、ベルリンに戻った。彼女は私を愛し始めた様に見えたが決して笑うことはなかった。彼女の隠された謎は何なのだろうか。私は東ベルリン見物に出掛けるが、出発直前になって彼女が乗り込んできた。
010908