講談社文庫
「人形はこたつで推理する」と同じで、主人公はおむつことめぐみ幼稚園の妹尾睦月、探偵兼恋人役に腹話術師の朝永と、彼が操る人形の鞠夫を配する。
お話は園児たちが乗り込んだ遠足バスに、警察が追っている、拳銃を所持した殺人犯が乗り込んできたという筋書き。途中でお弁当になったり、女性がトイレに行きたくなったり、恋の鞘当てみたいなものがあったりのユーモア小説に仕立て上げてある。
凶暴な殺人犯を落ち着かせ、おむつが事情を聞いたところ、「朝気がついてみると親友でヤクザのてるみ(男)が銃で撃たれて死んでいた。そして私は銃声を記憶しており、銃を握っていた。警察に見つかりそうになって逃げてきた。バスジャックしたのは単なる成り行きだ。自分は犯人ではない。」
犯人は、囲んだ警察に「おれの友達を連れてきたらみんな解放してやる。」とすごんでみせる。しかし次第に長期戦になりついに園児を解放。いったん放り出された鞠夫が帰ってきてみんなで事件の解明にあたる。最後はレストランから運び込まれた食事をみんなが取るが、コーヒーに眠り薬が入れてあり、犯人が朦朧となったところへ警官が踏み込む・・・・・。
全体的に犯人も必ずしも悪人でなく、雰囲気ものんびりしており、安心して楽しめる作品と言えようか。