人形は眠れない 我孫子 武丸


講談社文庫

 今回の作品は主人公おむつこと妹尾睦月と朝永さんが結ばれる話が半分占めており、さながら青春ラブストーリー。
 おむつは、関口という格好言い男性に激しく誘われる。しかし自宅には家の息子をどうしてくれる、と関口の母親からしつこい電話。しかし調べてみると、関口の母は他界しており、義母もいない・・・・。
 事件の方は不審火による放火が相次ぎ、しかも今回は家の中。主人が雨にあってて戻り、傘立てに傘をいれて、2階にあがったところ、まもなく傘立てから出火したと言う物。
 朝永さんと人形のマリオは過去の放火と今回の放火は別物と断定、今回のものについてはあらかじめおかれてあったナトリウムと、傘の滴の反応と結論。
 過去三回の出火地点は、マンション建設反対活動家で、3件はマンションを取り囲むようにたっている家。それらを結ぶと正三角形になる。警察に4回目の犯行をにおわす書面がとどく。当然警察は付近の住民を見守る。しかし朝永さんと鞠夫は正三角形の中心に当たるところにあるマンションそのもの、と断定。見事に犯人を捕らえた。
 事件が解決に向かった頃、おむつは、関口に不審を抱きながら朝永さんと結ばれる。そして最後にあの怪電話は、関口の中にすむもう一人のものの電話と判明する。なにか映画の「サイコ」みたいな結論。最後におむつと朝永さんを結びつけて、このシリーズはこれでおしまいという感じだが、惜しい気がする。作品のノリが良く、探偵役の性格づけが面白く、どれも楽しい作品に仕上がっているからである。
990716