狼の地図           清水 一行


角川文庫

週間タイムという週刊誌の記者たちが遭遇する様々な事件という形を取っている。バブル以前に書かれたため、今読むと懐かしいものも目立つ。

銀行恐喝
大阪三和銀行の夜間貸金庫事件犯人にインタビューする話。

私鉄騒乱
私鉄の運転手等が真面目な正直総会屋を旗揚げするというパロデイ。

建設異変
飯場への出稼ぎ者を装い、支度金などを詐欺し、物見遊山を楽しむ百姓達。
・主義主張を持ち、発行部数と無関係のところに存在するのがジャーナリズムで、そう言うものを無視して、とにかく商業ベースに乗せることしか考えないのがマス・コミなんです。(109P)

裏金横領
臭い金を持ち逃げした男は、実はこれまでこき使ってきた社長の妾の子。

商社戦争
反対派に自分の会社が乗っ取られてしまったため、繊維の技術を導入しようとした部長を中心に課全体でライバル会社に行く話

殺人事件
土木業中心の創業者派と建設業をめざす新しい派が対立する北川建設。そこで前社長夫人が殺された。実は娘のイカレタ男友達の犯行だったのだが・・・・。