集英社文庫
中小の建設会社の雰囲気と言うものを知りたくて、この本を選択した。
連載作品であるために、なんとなく尻切れトンボで終わっている感じがしたり、お色気描写にかなりの部分がさかれている点は否めないが、会話に血が通っており、リアリテイが全編にあふれている点は魅力である。
話は、準大手建設会社扶桑建設の建築営業部種村課長代理の奮闘記といった趣である。仕事では、設計事務所の広野次長の意を得るために、奥さんの浮気の証拠をつかむが、その相手が本社建て替えに伴う受注をねらっている丸和製菓の社長の息子だった、貸しを作った設計事務所からミヤコ自動車の研究所建設計画の情報を得る、そしてそれらの件で同僚の平田と争い、上司の石野と対立すると言った具合である。プライベートでは梅木常務の女だった君子に手を出し、ひっこみがつかなくなる。結局君子が妊娠し、結婚をせまり、彼女は退職するのだが、・・・・・。
・官公需が中心の土木営業部と民間工事がたのみの建築営業部。(42p)・・・・昨年大都工業、多田建設などが倒産したが、それらはまた天下りを利用して官公需獲得に熱心という。この会社も部長の半分以上が天下りとの記述がある。
・情報ルートは会社として蒐集するものと営業マンによるもの(61p)
・ビルの建て替え計画が出るとしたら、考えられるルートは二つである。一つは経営トップから出る、もう一つは主力銀行から持ちかけられる・・・・。(貸し渋りが問題になっている今日では懐かしい。)(106p)
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