R.P.G.     宮部 みゆき

集英社文庫

杉並区で男の刺殺死体がみつかった。所田良介、48歳、オリオンフーズ課長。自宅は10分くらいの所で妻春恵(42歳)と娘の一美(16歳)の三人家族。渋谷区のカラオケボックスでアルバイトの女性が絞殺された。今井直子、21歳。足跡等に同様のペンキが使われていたことから二つの事件のつながりが浮かび上がった。やがて良介と今井直子が恋人関係らしい事が暴かれ、良介の女友達A子が容疑者として浮かび上がる。

しかし決定力がないうちに良介がパソコンのチャットで擬似家族を作って楽しんでいた事が分かった。良介が「お父さん」役、三田佳子が「お母さん」役、息子がハンドルネームミノルこと北条稔、娘がハンドルネームカズミこと加原律子の4人家族である。この4人は4月にオフ会議なるものを開き実際にあっている。4人のもつれが殺人を引き起こしたのではないか。

ガラス越しに見守る中、警察はネット家族の3人を対決させた。犯人はこの中にいるのか。

謎めいたメールをところどころにいれ、読者の推理を喚起しているところはなかなかの演出である。家庭というものを多感な娘の立場から見ている点も読者の興味をひく。