続・法医学教室の午後


朝日文庫  西丸 興一著

本編に続く、著者の体験に基づくエッセイ集。港の”らくだ”、上には上が・・・、老婦人の死など本編より読んでいて面白い作品が多い?
空白の本能
中毒で死んだと思った娘が、実は子宮外妊娠。
遣された眼
ある人に私の目を贈る、と言い残して死んだ男。しかし相手は辞退。
中国の少年
両親から独立しようとした少年が、横浜から中国に渡ろうとしたが失敗。腐敗した死体が悲しい。
演歌師の恋
オンリーのサリーとヤクザ組織に縛られた演歌師の恋。彼はマニラに発つ日、ホテルで待ったが約束の彼女は来ない。
悲しいうそ
秘書の家で腹上死した社長。その子供たちは真実を教えてとせまるが・・・。
刑事と猫と老人と
老人が死に、足下に飼っていた猫が死んでいた。猫の後追い自殺?それとは対照的に厄介者の息子を青酸カリで殺して事故死と主張する親もいる。
一口に死後何時間とおっしゃるが
死斑、死後硬直、腐敗など死亡時刻を推定するためのファクターについて解説。
港の”らくだ”
臨時雇いのの港湾労務者が残飯をあさって魚の腸をもってきた。煮て食うとこれが実にうまい。ただ魚がふぐだった。ふぐについての解説が面白いので湖南エッセイコーナーに控えておいた。
几帳面な人々
電源にはんだごてを結び、その先にコードを自分たち二人に接続して睡眠薬を飲み感電死。用意周到な自殺者の話。
女の罪
妙な宗教に凝り、病気にかかった子供の悪霊を追い出すのだとたたき続けた女の話。亭主も思わず手伝ったというからどういうことになっているんだろう。
悲劇は悲劇
何度も自殺をトライし、七回目にやっと成功した男の話。
上には上が・・・
刑事のおしえてくれたやっていられないアベックと覗きの話。
青い毒薬
青酸カリの話。しかしラスプーチンが青酸カリ入りワインを飲んでなんともなかった、という話は笑わせる。
私の会った寅さん
テキヤの親分の息子が交通事故で死に、その面倒を見たのだけれど・・・。
ゲイセスバーグの秋
外地で人が死んでも、外人遺族は死体を見ないし引き取りもしない。しかしこの日本に来て一酸化炭素中毒死したアメリカ青年の場合は違った。
爽やかな母
交通事故の死亡をうまく言いくるめて保険金を沢山取ろうとする男、嘘はいけないと毅然とした態度を見せるしの母親。
若き友からの手紙
植物人間になっても生かしておくべきでしょうか、という後輩からの手紙。
サツの夜ばなし
タクシー代金を体で払うと言う女性。しかし一晩二人は無理だから踏み倒しで届けます。
ある火災実験
ビルの火災実験、一酸化炭素ガスに加えてシアン化水素が発生することは、以外に知られていない。
あんたホトケの何なのさ
公園の中に老人の死体!確認に来た家族はおじいさんに間違いない。死体を届けててんやわんやしていると本人がひょっこり帰って来た!
昆虫を愛した少年
昆虫を愛した少年が、心ない上級生にいじめられ、ショックで脳出血死亡した。
老婦人の死
嫁と姑の関係が悪く、姑が血液検査を受けた結果ワッセルマンが陽性と出た。係官がその家に赴き、大きな声で「陽性!」と告げる。孫と姑の関係は・・・?心遣いが必要だ。
わが昇天
母を亡くしたら、区役所から筆頭者死亡の通知。出かけて行くと「あ、間違えました。」
風のような男たち
風太郎(路上生活者)は布団に寝ると風邪をひく?
思い違い
おれは軌道敷は走っていないのにどうして市電とぶつかったんだろう。下り坂なのに、おれの車が後ろに下がったと言うのかよ。
人間の悲しい話
嫉妬深い夫が「子供が本当に私の子かどうか確かめてほしい。」百パーセントというのはないのです。
テールライトの思い出
医者に行く金もなく飯場で死んだ赤ん坊。駆けつけると奥さんも高熱。何とか知り合いの病院に押し込み助けてあげた。何年か経ってうれしい感謝状。
ああ青春は
歳取ることは悲しい。せめて歌おう「同期の桜」