アルキメデスは手を汚さない  小峰 元

講談社文庫

豊能高校柴本美雪の死因は公式には盲腸となっていたが中絶の失敗だった。
建設会社の 父は葬儀の夜、復讐を誓う。
高校では弁当のセリ市が開かれていたが競り落とした柳生 隆保のそれに農薬が入っており、危うく命を落とし掛ける。
隆保の姉美沙子の情婦亀井 正和が隆保の家で情事を楽しんだ後、行方不明になる。
隆保の母、幾代の不審な行動か ら足がつき、亀井の死体が隆保の家の床下から見つかる。
学園際でアルキメデスを演じた4人組は一つでも役にたつことをしようと他人の日照権 を奪い、老婆を死に至らしめた柴本に復讐するために美雪を犯すことを計画し、隆保の相棒 町田が琵琶湖への夏期旅行で成功。
さらに美沙子との情事しか考えない汚らわしい亀井 にカツを入れる事を計画。
四国への修学旅行時に自宅に戻って殺害することにやはり隆 保が成功、アリバイ作りに残り3人が協力したものだった。

反体制的でむこういみず、それでいて結構仁義に厚い高校生群像を小気味よく書いてい る。

標題は「アルキメデスが発明した殺人機械は、大勢のローマ兵を殺した。しかし実行し たのは兵士たちだ。アルキメデスは無罪といえるだろうか。」という作者の問いかけを あらわしているようだ。