講談社文庫
近内泰洋は、妻から息子の省吾が秋川学園大学付属中学校を休みがちであること、体にあざを作って帰ってきたこと、反抗的になったこと、高価なパソコンなを買っていることを知らされる。
さらに新聞記事で同じクラスの貫井直之が他殺死体で発見された事を知る。
調査をして見ると、貫井はリンチを受け、死んだとき時大金を用意していたこと、子供達の間でチョコレートゲームというものが、流行っていたことを突き止めるが、同時に省吾が直之と親しくその犯人として疑われていた。
同じ様に息子が変わってしまった親たちが集まり、相談をしていた時、階上で争うような音、駆け付けると省吾の親しかった浅沼英一の死体。
友人の喜多川勉とその父らの証言があって、とうとう二つの殺人は省吾の犯行ということになってしまう。そして省吾は給水塔から飛び下りて自殺してしまう。
ここから近内と雑誌社の蜂須賀の追及が始まリ、チョコレートゲームが、大人の競馬と同じ物であり大金が動いていたこと、後から参加した貫井が胴元になってノミ行為をやって彼一人が儲けていたこと、最近大穴がでて逆に貫井が大金を払わなければならなかった事、金の取り立てに伴うリンチ事件などが判明、それを元に追及したところ、犯人は喜多川親子で省吾は嵌められた上、最後は自殺を装って殺された事が判明する。
若い世代を描く青春推理小説という側面と、同時に息子との意思の断絶に苦しむ父親の姿を描いた好編である。決して甘くなく、事態に正面から取り組んでいる所が良いと思う。