光文社文庫
DNA鑑定という言葉に惹かれて読んだが期待通りの作品だった。
専門分野である成果、DNA鑑定に関する解説が豊富でわかりやすく魅力ある作品になっている。
DNA鑑定の権威十和田教授が、愛人麻里殺しの容疑をかけられた。
被害者の体内に残された体液のDNAが一致したのだ。
ついで第二の殺人。ここでも犯人のものらしいDNAが十和田教授のものと一致。
麻里の知り合いにバーテンがいた。
実はこの男が犯人なのだが、なぜ十和田教授のDNAと一致していたかというところがミソ。
実は十和田教授は捨て子だったが、この男と一卵性双生児だったというもの。
・死亡してから余り時間がたっていない場合には、組織や細胞にはまだ、生命活動がわずかであるが残っている。・・・アトロピンによる散瞳、エゼリン点眼による縮瞳(29P)
・DNA鑑定には、マルチローカス方式、シングルローカス方式、HLA(ヒト白血球抗原)方式などがあるが、刑事事件の捜査に使われるのはシングルローカス方式(62P)
・白血球の血液型といわれるHLAには、A、B、C、D、DR、DQ、DPの七型、それにそれぞれの亜型があります。DNA鑑定にはD型を用いる。(66P)
・血液=血漿(液体部分)+血球 血球=赤血球+白血球+血小板 白血球=顆粒球+リンパ球(自己と非自己の区別)+単球(食細胞)
白血球の核=染色体23対46本30億個(ゲノム)(128P前後)
・特殊な酵素を使って、鑑定に用いるDNAを増やし、電気泳動法でで分離・・・縞バンド(129P)
・DNA ヌクレオチド=糖+リン酸+塩基 塩基=アデニン、チミン、グアニン、、シトニン 塩基の配列が問題 AAG=リジン、GAA=アスパラギン酸etc.(133p)
・ヘリコパクター・ピロリ菌=潰瘍発生の原因(168p)
・DNA指紋 A、T、G、Cの繰り返し部分=ミニサテライト この回数に個人差
・DNA鑑定だけでは、容疑者を有罪にするのは、相当難しい。DNA鑑定はあくまで物的証拠の一つとする考えが、最近は浸透し始めているようですね。(264P)
・一卵性双生児の場合血液型、DNA鑑定が全て一致する。(294P)