越後・会津殺人ルート    西村京太郎

 井の頭公園に若い女性の刺殺体。現場に十津川警部の名刺と会津高松から新潟行きの切符。十津川が追って行くと、第二、第三の若い女性の殺人。いづれも十津川の名刺を持つやら、殺人現場を見たの電話やら。
 十津川は次第に犯人に仕立て上げられて行く。若い俳優と女性マネージャーの偽装殺人。しかしわずかなヒントから足がつき、巨万の富を持ちながら、十津川にホモ相手を起訴されてうらむ、ワンマン社長仙頭と彼に使われる元敏腕警部浦辺が浮かぶ。
 十津川は網を張ったものの、おいつめられ、危機一髪だったが、最後に馬脚をあらわした浦辺を逆に逮捕。その自殺ですべては仙頭が金で起こした事件だった事が明らかになる。

 旅情があふれ、筋の運びも面白いと思うが、トリックや考え方では新味はないように思う。港と空港をすべて封鎖されて日本から脱出するために、船で公海上に逃れようとするところが興味を引く。

r991204