新潮文庫
超金持ちの父を持つ刑事神戸大助が金にものを言わせて事件を解決する。
富豪刑事の囮
5億円強奪犯人が4人にまで絞られたが、それから先が分からない。そこで大助が彼らに金を使いたくなるように仕向けるために、彼らとつきあい始める。ある時はクレー射撃の相手、ある時は豪華な実験室、またある時はビリヤード、そしておでんやで、と言った具合。そして彼らを自邸で行う超豪華パーテーに招待、4人が4人とも秘書の鈴江に気があると見ると贈り物で相手を結婚する決めると言う条件をだす。まんまと引っかかった男が埋めてあった金を取りに行ったところを御用。
密室の富豪刑事
商売敵の江草と会談を終えた後、自室で火災が発生し、鋳物工業会社の社長宮本は、死んでしまう。自室は鍵穴とダクトしか外界に通じるもののない密室。
大助は同じ様なビルを建て、宮本と同じように安い価格で受注を繰り返し、江草の商売の邪魔をする。すると江草は宮本と同じ方法で大助を殺そうとする。酸素を鍵穴から押し込むと、室内の酸素濃度が急激にあがり、葉巻の火種でも簡単に火事になってしまうほど燃え上がった。
富豪刑事のステイング
中小企業社長高森の愛児が誘拐された。身代金500万円を従業員に払う給料を立て替えて払うと、子供は帰らずもう一回500万円払えとの話。
その500万円を大助が立て替え、社長が受け渡し場所に持って行くと、犯人に化けた大助が奪って逃走する。実は大助は社長と秘書のしくんだ偽装誘拐と読んでいた。金を取られた社長はおおあわて、しかしもちろん愛児には何の被害も無かった。
ホテルの富豪刑事
二つの暴力団が小さな田舎町で争うというので、町内の旅館に一般客を移し、暴力団は全員ただ一つのホテルに泊まる。しかし6階のスイートルームに断りきれなかったニューヨークから来た外人老夫婦。夜半その6階で暴力団同志の撃ち合い、刑事が駆けつけ事なきを得るが、そのスイートルームで老婦人が殺されていた。暴力団達はいずれも6階で撃ち合いが始まった、と呼び出されたものだった。犯人は外にでていた夫で非常階段を上がり、部屋の外から自分の妻を撃ったものだった。
一つ一つが計算されていながら、非常に軽妙でしゃれていて面白い。
・凡庸な作家の書く推理小説はもとより、映画でもテレビでも誘拐だというと刑事が化けるのは必ずガス工事人だ。(131p)