講談社文庫
小学校で咽頭結膜熱が流行し、病原体のウイルスを微生物医学研究所の仁科が持ちだし
たものではないかと疑われる。やがて仁科と水城亜矢子が心中する。
その7年後、国際伝染病エボラ出血熱が東京とニューヨークで発生し、何人かが発病、
多くが死んでしまう。7年前と同じようにこの事件を追及していた兵頭記者が撲殺され、
その原稿から、また微生物医学研究所のだれかがウイルスを持ち出したのではないかと
疑われる。そして江幡が逮捕されるが、彼は頑強に否定するものの、潔白の証明のため
に、7年前の心中が実は偽装殺人で自分がやったことを認めざるをえなくなる。
真相はエボラ熱は暴力団員の虎沢が米国で移されてきたもので、兵頭殺しは7年前の仁
科殺しの真相を知った仁科の本当の恋人、杉岡弥生が関係者に対して、エボラ出血熱騒
ぎを利用し、復讐したものだった。
エボラ出血熱を取り扱っていること、ウイルスに関する研究、血液型、酵素型の検討な
どが面白い。ただ人物の特色と事件の説明がどうも分かりにくい。