講談社文庫
東京で一卵性双生児の兄弟が、酒店強盗などの悪事を次々重ねて行く。目撃者の証言などから、小柴兄弟のうちどちらかの犯行であることは分かるのだが、二人があまりに似ていて、特定出来ないため、警察は逮捕出来ない。
東北の雪深い山奥にある一件宿に、6人の一見なんのつながりもなく見える客が、正体不明の手紙で招待された。そしてその宿で次々におこる殺人劇。客は恐怖におびえるが、
外界との連絡は遮断されてしまった。
最後に密告により、小柴が東京で現行犯逮捕される。山奥の宿は連絡が取れたとき、一人の女性が遺書を残して服毒自殺し、彼女の犯行とも考えられた。しかし、この事件を動かした別の双子の兄弟がいた。彼らの老母は、鉄道のホームから落ちて、それが元で
死んだ。彼らはこの時、周りにいて何もしなかった連中を恨み、次々と復讐していった
のだった。
双子のからむ二つの事件が、同時並行的に、すっきりした文章で書かれており、思わずつり込まれて
しまう。面白い小説である。しかし二組の全く同じ双子の存在、この程度で大量殺人を
犯すか、といった疑問は残る。
・奪った金は、札束だけを前と同じように封筒に入れ、近くのポストに投函すると良い。
・・・宛先はデタラメな住所と名前を書くべきである。そして、差出人のところに、マ
ンションの住所を書いておくのである。・・・封筒は、確実に宛先不明でマンションに
返送される(231p)
・送られるはずのない消印のついた局からの手紙
集配係宛に手紙・・・・中にまた封筒が入っていましてね。事情があって直接、警察に
送れないから、そちらから送ってくれと書いてありました。15円の切手が貼ってあっ
たので、そのまま発送したんですが、いけませんでしたか。(367p)
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