キャサリンシリーズ。今回は桃山流の茶道を習い始めたという趣向。
家元二条院良孝には、先妻の子夏子とその夫頼信、後妻の涼子とその子秋子、夫の一条寺邦彦、愛人の加代子とその子冬子がおり、秋子、涼子、家元本人と殺されて行く。
秋子は、常用しているカプセル入り薬を取り替えておいたのだからトリックは簡単。
涼子は、茶会の最中に殺されるのだが、茶碗に青酸性毒物をつけておいた。
殺したくない人物は茶碗を少ししか回さぬから、口をつける心配はない、後は誰が死んでもいいというもの。
家元の場合が一番こっている。
建築中の密室状態の別荘の2階で、ネクタイでクビをつって発見されるのだが、ネクタイに結びつけられた紐は屋根裏部屋の柱に結びつけられていた。
種明かしは
1)昼間大工が昼食で留守の間に、犯人は、家元と屋根裏部屋に行き睡眠薬で眠らせる。
2)ネクタイ後ろと柱を結びつけ、2階に降りる梯子を倒れるように細工して、現場を去る。
3)昼食から戻った大工は、作業を終え、鍵をかけて家路につく。
4)目を覚ました家元は2階に降りようとすると、梯子が倒れ、クビをつられてしまう。
ほかに自動車電話のアリバイトリックが使われる。
自動車電話は最初に030を回すから、東京にかけているように見える。
しかも次に自動車の走っている場所の局番を回す必要があるから自動車の所在地がわかってしまう。
動機は、先妻の死によって秋子と邦彦に実験を奪われた夏子を助けようと頼信が犯したものだった。
外国人のキャサリンが茶道をならい、うんちくを傾けるところが新鮮で成功している。
・芦屋釜と、天明釜に大きく分けられるの。芦屋釜は、栃木県の芦屋で作られ、天明の方は栃木県の佐野市でできる釜をいうの。芦屋の方は薄作りで、形と地紋が優れていて、天明の方は、鉄肌のあらあらしい独特の持ち味・・・。(120p)
( 参考)火刑法廷(デイクスンカー)