講談社文庫
美智子は、上司である朱雀の4度目の妻になり、幸せいっぱいだが、過去の妻3人はいずれも不慮の死を遂げている。海外旅行で交通事故にあったり、ビル屋上から墜落死したりなど。
同じ時期に社長令嬢千津が、朱雀の部下の森田と結婚し、二組のカップルは京都に新婚旅行に旅立つ。しかしその夜、千津がホテル屋上から墜落死、葬儀も終わらぬ頃、森田が自宅で青酸カリ自殺。ついで琵琶湖湖上遊覧中、社長がキャビンで絞殺死体となる。ドアには閂がかかり、海に面した小さな窓はわずかしか開かない。
しかも美智子も2度もおそわれる。 ひょっとしたら自分が殺される、と美智子は、事件究明にのりだす。実は社長の妻麗子が朱雀と愛人関係にあった。麗子が嫉妬に狂い、朱雀の新妻を次々に事故に見せかけて殺していった。ただし千津と森田については財産確保を目的としたもの。
犯行の中で面白いのは社長殺しで、わずかに開いた窓から腕を入れ、絞め殺してしまうものだ。ほかに「京都茶道家元事件」と同じ自動車電話によるアリバイトリック、モーターボートのブレーキ工作等が使われている。
過去の妻3人はいずれも不慮の死を遂げている男との結婚、新婚旅行での怪死事件など派手なテーマをかかげているが、探偵が素人という前提にたっているため、状況証拠からの判断に頼るところが多く、キャサリンシリーズのようにトリックを解いて事件にせまるという部分がやや不足している。
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