黒部ルート殺人旅行

黒部ルート殺人旅行     斎藤 栄

カッパ・ノベルス

プロローグで黒部川発電所工事の苦労と、出世のため主人公西崎が競争相手の本間をトンネル内で爆殺するショッキングな紹介がある。
大学が同期の西崎と本間は、佐久間組内で仕事上で争い、教授の一人娘淑子をめぐって争っていた。
しかし本間が、海難事故で行方不明になった期間を利用して、西崎は淑子と結婚。
本間は戻ってきたが、その後エピソードの爆殺にあって死亡。
その後西崎は、大日本住宅技術部長となった。
その西崎が、娘の真貴子を連れて、長野県側から黒部を訪れたが途中で行方不明になった。
同行者は菅井と疋田、しかし疋田は、別のところに行っていたはずだった。
そして数日後、富山県側の山の中で爆殺死体となって発見される。
娘の真貴子に頼まれて調査に乗り出した香山検事と島原は、真貴子が実は本間の子であることが発覚し、西崎夫婦の間が険悪になっていたことを突き止める。
そして西崎の女、小暮ともえの死。
神奈川県下に国有地を払い下げてもらって、大日本住宅が作る予定の毘沙門住宅団地開発に絶対的権限を持つ保科局長。
岩崎代議士を通じて、西崎は彼に取り入った。
しかし検察と県警に察知され、疋田は、保科の息子竜介が白血病で余命幾ばくもないことを知り、彼を利用して事件を終結させようと考えた。
ちょうど西崎が、恋人のもとに走りたがっていたので、これを利用して殺し、あわせて口の軽そうな小暮も処理したのだった。
非常に迫力があり、トリックも豊富で推理小説の醍醐味が味わえる。
氏の代表作の一つにあげても良いのではないかと思う。

・分光光度計でヘモグロビンとメトヘモグロビンの比率を調べ、死後経過時間を知る方法(75p)
・西崎と真貴子の親子関係・・・AMNqeS、BMqeS、ABMQeSでABO式、MN式、E式、S式では矛盾がないのに、Q式だとうまくないんですね。(62P)
・殺したあと、死体を切断分離し、現場で爆発を起こし、あたかも爆殺させた様に見せる方法(242p)
・身代わりを作り、蒸発してしまう方法(195p)
・海側に富士山が見える瞬間をねらったアリバイ写真の作成方法(239p)・・・ただ写真トリックは第三者を利用すればいくらでもたてられるような気がした。
・デイジタルクロックの周波数調整ボタンを使った時刻トリック・・・・50メガヘルツ地区で60メガヘルツにセットして使うと進む。・・・飛び地地区(211p)