キャッツアイころがった 黒川博行

文芸春秋ハードカバー

滋賀県余呉湖から指紋等を消された男の死体が上がり、胃の中から時価500万円のキャッツアイが出てきた。
京都美大の村山と言う男が、友達から資金を集めてインドに旅だったが、戻ってきた時は文無し。
自宅で青酸カリによって殺され、口の中からキャッツアイが転がり出たが、これが余呉のケースと同じもの。
西成で浮浪者が同じように殺され、また同じキャッツアイが出てきた。
村山の美大仲間の啓子と弘美は、村山の残したスケッチブックを頼りにインドを訪問。
村山がキャッツアイの運び人をしていたこと、および現地でケンジとしのぶというアベックが一緒だったことを突き止める。
黒幕は画廊を経営している深沢だった。
その援助で現地に行った村山は14個のキャッツアイを買いいれ、現地で知り合ったしのぶと豪遊を続けたが、ヒッピーのケンジに大麻をかがされ、宝石を奪われる。しかし日本に戻ったケンジは深沢、村山に見つかり、殺され捨てられた。その後、深沢が事件の発覚をおそれて村山を殺し、さらに当局に無差別殺人の錯覚を与えるために、浮浪者を殺したものだった。

宝石の流通についてのうんちくが面白い。
死体からキャッツアイが転がり出るという筋立ても感心する。ただ、畳みかけるようなおもしろさという点は少し物足りなく、また人間描写も今一歩の感じがする。

・カラーストーンの流通経路というのは・・・・ルビー、サファイア、キャッツアイ、アレキサンドライト、エメラルド、この5つが大半をしめています。(104p)
・我々が宝石と認めるものは、ダイヤ、コランダム、クリソベリル、緑柱石、この4つですねん。コランダムいうのは鉱物名、赤く発色したらルビー、青ならサファイア、クリソベリルはアレキサンドライトとキャッツアイ。緑柱石にはエメラルドやアクアマリンなどがあるけど、宝石はエメラルドだけ。(104p)
・カラーストーンの流通は華僑が握っとるんです。(107p)

* 青酸カリ
* 口から宝石
* 大麻