三毛猫ホームズの推理    赤川 次郎

光文社文庫


 血を見ただけで震え上がり、女の前に行くと上がってしまうという若き片山刑事が、羽衣女子大学の連続女子大生殺人事件等に挑む。等と書いたのは、他に女子大生の売春、森崎学部長殺害事件、片山刑事のお見合い、恋愛、用務員爆殺などが複雑に絡んでいるからだ。
 面白いのは森崎学部長殺害事件、工事用の大型プレハブ食堂のなかで打撲死体で見つかる。食堂は密質室状態。種を明かすと被害者が中に入って閂を掛けた後、クレーンで建物の端をつまみ、立てにしてしまうという物。被害者は食堂の端から端に落ちて、打撲傷で死んだものだった。

 大人気の三毛猫ホームズシリーズ第一作。軽快な文章と話のテンポが素晴らしく、読者をあきさせない。ふんだんにちりばめられた小さなギャグが、大変面白い。アクセサリ−の感じの三毛猫ホームズの存在も花を添えている。犯罪クイズのような感じがしないでもない、ユーモアミステリーとでも考えるべきだろうか。

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