カッパ・ノベルズ
新宿鮫シリーズ第4弾。直木賞受賞作品。
新宿になめるだけで利くキャンデーと呼ぶ新型覚醒剤がでまわり、若者をむしばみ始めた。鮫島が、販売している暴力団藤野組を追うと、次第に密造犯がはっきりしてきた。政治に経済に大きな影響力を持つ地方財閥香川家の昇・進兄弟。しかも進は、藤野組角の罠にはまり、覚醒剤地獄に落ちる。角に追いつめられ、女を奪われた進はキャンデーを渡すと見せかけて角を殺してしまう。
麻薬を徹底的に憎む鮫島は、執拗に捜査を続けるが、麻薬捜査官が妨害する。
そんな中、進を案じ、香川家の対面を保とうとする昇は、鮫島の恋人晶を昔の仲間耕一を通じてロックコンサート演奏を依頼し、これにかこつけて誘拐する。しかも進が誘拐を頼んだ男平瀬は、香川家を憎んでいる落ちこぼれやくざ。
最後は耕一を殺し、昇を脅して狂人となった平瀬が、人質の晶を襲うが、間一髪鮫島が駆けつけ救う。
・覚醒剤の流通ルートについて(19p)
・むしろ地方だからこそ基幹産業と呼ばれるような事業を一手に一財閥が支配し、結果、その地方選出の政治家に対し圧倒的な支配力を持つ、という場合もある。(225p)
・だが、景子には分からない。ひとつことにかけ、歯を食いしばってしがみついている若い奴のことなんか・・・・。(240p)
・メタンフェタミンの製造法(282p)
・服役するのを「オツトメ」と呼び、仕事の一部と考えるやくざと、前科を負うことそのものを社会的生命の終わりと考えるカタギでは、同じ犯罪に互いに手をそめた時、失うものの大きさが余りにも違いすぎる。(308p)
・鮫島のモデルとなるキャリヤの年表をノートの書き、年齢に応じたその階級と配置を想定した。(440p、あとがき)