ナポレオン狂    阿刀田  高

講談社文庫

ナポレオン狂
ナポレオンに関する物なら何でも集めてやろうという南沢老人、私はナポレオンの生まれ変わりと信じる村瀬氏。訪ねてきた村瀬氏を私は南沢老人に紹介したが、その後村瀬氏の行方がわからない。
所用で南沢老人を訪ねると、書庫に「動物の剥製の作り方」と題する本が・・。

来訪者
浮田真樹子を病院で娘の幸恵を生んだとき面倒を見た雑役婦の神崎が訪ねてきた。浮田の元で使ってもらいたい様子だったが、断ると幸恵に未練たっぷりに帰っていった。
刑事が訪ねてきて「神崎は実は生活に困って生まれたばかりの子を殺した。」という。ひょっとして幸恵は神崎の子・・・・・。

恋は思案の外
娘の信子が恋人に入れあげ、会社の金を使い込んでしまった。仕方なく立て替えてやると約束した物のそんな金はない。
そこで森谷恭平は子供の誘拐を計画。金を犬に運ばせて大成功と思いきや、犬は警察官のところの雌犬に惚れていてそちらに寄り道。

甲虫の遁走曲
フォルクスワーゲンで白タクの運転手をやっていた北村はタクシーに追突され、病院に。金がかかってしかたがない。すると夜、フォルクスワーゲンが彼に語りかける
「私一人で稼いできます。」
しばらくして
「今日は若い女をのせたのですがて、大金を持っていたので、殺して死体を海に捨て、お金を取ってきました。どうぞ。」
事件はばれずに、北村は退院。妻が言う。
「実はあなたは夢遊病の癖があったんですって。」

ゴルフ事始め
どちらからゴルフが発祥したかという事で、スコットランドとイングランドの二人の領主があらそい、ゴルフで決着をつけることに。魔法の鏡で練習した靴屋を仲間に入れたスコットランドが圧勝。
収まらないのはイングランド。靴屋を殺して魔法の鏡を盗み出し、猛特訓。ところが鏡のうるさいこと、うるさいこと。腹を立てて粉々にしてしまったが、まだ小言。やがて鏡の粉は雲に乗って、全世界にふわりふわりと・・・。