人形はなぜ殺される     高木彬光

光文社文庫

新作魔術発表会・・・ここでギロチンによって首を切り落とされた美女が蘇るという奇術「マリーアントワネットの処刑」が公開されると言う。ところがその舞台裏で切り落とされる首が消失。そしてその直後の殺人現場にはマリーアントワネット役をやる予定だった綾小路百合子と思われる女性の首なし死体。
ついで魔術協会のメンバーが集まった興津の綾小路家での人形轢断事件、そして綾小路佳子の轢断殺人。
名探偵神津恭介の登場。黒魔術の儀式でのヒロポン中毒の杉浦雅夫の青酸中毒死。彼は生前事件の犯人を想起させる詩を残していた。
そして綾小路家の三女滋子が精神病院で死んだ翌日、唯一の生き残り典子と沢村博士の結婚が執り行われようとする。神津は「沢村博士と百合子こそ犯人」と指弾。第一の殺人で殺されたのは精神病院に入っていた滋子、百合子は滋子になりすまして精神病院に入っていた。佳子は犯人をおびき寄せようと人形轢断事件を起こしたが逆に殺されてしまった。そして真実を知った杉浦は消された・・・・。
読者に疑問を次々に提示するスタイルを採っており、本格派推理小説好みの作品。刺青殺人事件とやや似ているように思った。