RIKO・・・女神の永遠  柴田よしき

角川書店ハードカバー

新宿警察署の落ちこぼれ女刑事緑子。彼女は部下の鮎川慎二と連続少年暴行事件とその シーンを写したブルーフィルムを追っていた。ところが暴行現場のマスターテープを持っ ていた男が水死体であがったことから捜査一課が乗り出してくる。
安藤警部、高須警部補以下7名。しかし緑子は一時妻子ある安藤と恋に落ち、それから 逃れるように高須に抱かれた女。そして彼らの裏切りにあい、新宿に飛ばされ、今は慎 二とよい仲になる一方、同僚の麻里と同性愛にふけっていた。
写された少年達はいずれも誘拐され、暴行され、現場のフィルムをもとに強請られてい た。そのうちの何人かは自殺した。背後に不良中国人、元警察官茂木等の姿が浮かぶ。 しかし捜査の先頭に立ち、真実を発見したらしい慎二は殺された。そして緑子もまた襲 われる。筒抜けになっていた情報・・・。
麻里だ。そう気がついたとき、彼女は敵の手に落ちていた。彼らは香港に飛ぼうとして いた。しかし安藤等の追跡に最後に救われる・・・・

「新宿鮫」の女性版といった趣だが、主人公の強烈な個性が目立つ。一面エロ小説的雰囲気 を漂わせながら、セクハラ、女の生き方等についてテーマを提供している。詩を思わせ るような行を飛ばした文章の書き方も興味深い。

・卸元との接触方法はいずれも郵便局の私書箱だけで、しかも3種類の私書箱が使い分 けられていました。・・・・どれも会社名で契約されていましたが、実在の名称を使用 していたものの住所はでたらめで・・・・(12P)
・麻里は・・・掃除やお茶くみ、花の水換えなどの雑用を、さりげなく、しかもきっち りとこなすのである。・・・日本という国の、中でもとりわけ封建的な職場社会におい て好かれると言うのはどういうことか、麻里は知っていた(37P)
・あなたが良心を生け贄にしてでも守りたかったもの・・・・社会正義という名前の、 目には見えない大きなもの。でも新宿があたしに教えてくれたことは、あたしがその社 会正義の実態を、何一つ知らなかったということだ。それは矛盾に満ち、不合理と不公 平に満ちた、薄汚く汚れた一つの「嘘」だった。(86P)
・誰か一人のものになるなんて、やっぱりあたしには出来ない相談ね。あたしは、もっ と楽しみたいの。気楽に愉しく生きたいの(133P)
・直接注射器で大量のヘロイン溶液を体内にいれられたために起こしたショックにより 死亡した(163P)
・経膣プロープという管をさしこんで超音波で見ると、もう胎嚢がはっきり見えており、 心臓の動きもかろうじてわかった。(229P)