猟人日記           戸川 昌子

角川文庫

アイリッシュ、アルレー、ポアロ&ナルスジャックのように推理作家の中には、謎解きと言うよりも物語全体で見せる作品を書く作家も多い。
この作家もその一人なのだろうか。
不幸な経過があって妻と関係を持たなくなった技術屋本田一郎は東京で一人住まいをしていたが、彼の唯一の趣味は女漁りだった。
彼は仕事を終えると服装を替え、女をあさり、一夜限りの結果を猟人日記とだいし、記録していた。
ところが不思議に彼の関係した女たちが次々に殺されていった。
そして猟人日記がいつの間にか無くなってしまった。
現場に残されたネクタイや靴が証拠となって逮捕された彼は、無実を申し立てるが、アリバイとなるべき女たちは皆殺されているし、記録したものもないことから一笑に付され、死刑を宣告される。
しかし不振を持った弁護士が執拗に調べると殺害現場にはほくろの女が出入りしていたこと、しかもその女は2000人に一人しかないと言う被害者と同じABRhマイナスの血液と精液を求めていたことを発見する。
そして発見された猟人日記はなぜか最初のページが無くなっていた。
実は嫉妬に狂った妻の犯行、最初のページには妻との情事が書かれていたのだった。

読み終わって「書いたもの。」の人に与える影響のすごさを実感した。話したこととは違った意味である。

・Rh(ー)の人は二百人に一人だが・・・・(165p)
・新生児溶血性疾患、新生児赤芽球症(172p)
・唾液でも精液でも、血液と同じ型がでるのは分泌型の人間だけなんですよ。(230p)
・妊娠恐怖症(270p)