龍は眠る 宮部みゆき

新潮文庫

嵐の晩、「アロー」誌記者の高坂は、自転車をパンクさせ立ち往生していた少年、稲村慎二を拾った。その少年は「僕は超能力者だ。」と言い、いたずらにマンホールのふたを開け、子供を死に至らしめた、若い画学生二人を発見して見せる。そして「あいつの言うことは嘘だ。」という織田直也の出現。
一方で高坂のもとには無言の脅迫状と奇妙な電話がかかり、分かれた恋人小枝子にも危害が及ぶと脅かされる。小枝子は高坂と分かれた後、英語学校を経営する川崎の元に嫁いでいたが、夫婦仲はうまく言っておらず、川崎は秘書の三宅令子と関係があるように見えた。
そして織田の失踪、高坂の織田の盲目の恋人三村七恵との出会いと恋。小枝子の誘拐。織田の死体での発見。しかし誘拐事件は稲村等の活躍により、川崎と令子の狂言誘拐であることが分かる。織田は命を賭して小枝子を守っていたのだった。

推理小説と言うよりもホラー小説、あるいはファンタジーに近い小説。「魔術はささやく」同様に状況を「描写」で説明し、話しがどこに行くのかを読者に考えさせる点は優れているが、やや冗長に感じられる点、読了後「結局何だったんだ。」と考えたとき、必ずしも関係のないエピソードが入ったりしている点がやや不満だった。