講談社文庫
2・26事件の起こった日、画家梅沢平吉が不思議な遺書を残し、密室で殺される。「
6人の処女から肉体の最も祝福された部分を切り取り、新しい人体アゾートを合成し、
日本の最も神聖なる場所に置かれなければならない。」と遺書は述べる。
長女 一枝が別の場所でやはり殺されるが、その死体には死姦の後があった。そして平吉の妻の娘
二人、前妻の娘一人、平吉の弟の娘3人、合計6人が新潟県弥彦神社に行った後、そろっ
て消失。やがて娘たちは遺書にあったとおり、それぞれ体の6分の1ずつを切り取られ、
ちがった場所で無残な6つの死体となって次々と発見される。
事件は警察の必死の捜査にもかかわらず、未解決のまま、昭和54年御手洗潔探偵の登
場となる。必死の捜査の結果、犯人は死んだはずの前妻の娘時子で、最初の遺書はまっ
たくの作り物である事が分かる。死体が6体発見されたというのは錯覚で5人の娘を切
断し、上部と下部を組み合わせ、6か所に放置したものだった。
一枝殺しも実は時子で、 殺害の後、誘惑して関係した実直な警官竹沢の精液を入れたものだった。関係した竹沢
は時子におどされて死体を運搬、所定の場所にばらまく役をやらされていた。
謎としては比較的簡単なように思う。作者が途中で読者に対し答えを求めているところ はいかにも本格推理好みである。
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