創元推理文庫 日本探偵小説全集11
この人の想像力や驚くべきである。
江戸川乱歩のエログロ的要素も作品には十分現れている。
帆村探偵が活躍する。
振動魔
肺をやむ友人柿丘秋郎は愛人白石雪江ができた子どもを産むと言って聞かぬので、一計を案じた。雪江の膣と共鳴する振動室を作り、そこに彼女を導きいれ、流産させることに成功した。しかし同時に彼の肺にあいた空洞とも共鳴し、彼は血を吐いて死んだ。
私は実はこの機会に柿丘を殺し、その美しい妻呉子を得ようとしたのだった。
俘囚
博士は基本部分だけを取り出した効率的な人間になろうとした。頭と内臓だけを残し、残りはロボットにしてしまうのである。こうしたことによって博士は入れぬはずのない銀行の金庫と言う密室に、換気扇部分から入り込み、殺人を犯し、金を奪う。そんな夫に愛想を尽かした私は男と浮気を重ねていたが、あるとき計略にかかり、頭と内臓だけにされてしまう。しかも博士は机の上のボタンをおして、必要なときに手足をつけていたが、博士のからだが机から落ちてしまったために・・・・。
人間灰
湖に向かう西風の吹く日に、人が失踪する。
実は誘拐した人間を液体空気で粉にし、それを気球にのせて天高く、舞い上げ、そこからばらまいてしまうのである。ある時たまたま、風が変わり、そこらを歩いていた浮浪者に空から降った肉片が降りかかり、彼は血まみれになって逮捕されたが・・・・。