角川文庫
津島は交通事故に遭ったと思った瞬間記憶を失った。
病院で自分が一瞬にして白髪となり、皺が増えた事に気がついた。
津島をはねた田部佳代は40歳という年齢にも関わらず、25、6歳に見えた。
しかし不思議なことに男と関係しようとすると、瞬間に膣が閉じてしまう不思議な特質を持った身体だった。
自室で、妙なことをしようとした銀河女子大春海講師を、ビール瓶で殴りつけた事件は最初田部佳代の犯行と考えられたが、娘の紀子の犯行だった。
二人の指紋が同じだったから間違えられたのだった。
春海講師の線を追求する内に、戦争中ナチスドイツ軍がある命令に永久に従わせるF.G.剤なる者を開発し試していたことが判った。
津島も田部佳代も、来日したナチス軍のフリッツという男からその薬の投与を受けたことがあった。
薬は、若さを失わせなくなる利点があったが、田部の場合、男と関係させないと言う命令が含まれていた。
子は出来たが、処女懐胎の可能性があり、このような子は指紋等が母に一致するはずだった。
このような例は世界にいくつか報告されており、プラハレデイが有名である。
春海はF.G.を使って治療を行って財を得ていた。
津島の場合、とっさの場合、迅速に行動する命令系統が含まれていた。
最後に津島と田部佳代が常人に戻り、エンデイングとなる。
SF小説。処女懐胎の可能性、クローン人間の予測などをぼんやりながら行っているところが面白い。
ある意味では時代を先取りした作品である。