文春文庫
幽霊列車
私(刑事)と永井夕子にによるコミックミステリー第一弾。夕子の紹介を兼ねている。
山間の温泉町岩湯谷駅で乗った乗客8人が、忽然と消えてしまった。私は私人として調査を命じられるが、現地で探偵が趣味の夕子と出合う。夕子は台車についていた油、石切場、四季の会等の話しから、事件が村の8人死亡毒キノコ事件隠蔽のために行われた、と推断。しかし証人植村美和が、殺される。夕子は犯人である村のお偉方8人と対決するが、捕らえられてしまう。しかし私が現場に飛び込み救出、めでたし、めでたし。
この短編の話しの進め方、本当におこった事件の順序から見ると次のようになっている。
発想の順序・・・・まず8人消失トリック
本当におこった順序
1 客の8人が、毒キノコで死んだ。
2 談合して、まず8人の死体を隠す。
3 俳句の会の8人が、死んだ8人になりすまして列車に乗る
4 台車のトリックを使って、8人が消えたように見せかける
5 植村美和が、真実を話そうとしたので、口をふさいだ。
6 永井夕子の誘いに応じて8人が廃坑に集まった。
話しの進め方
1 岩湯谷駅で乗った乗客は8人いたが、大湯谷では誰もいなかった。
2 宇野警視庁捜査一課警部が本間警視から、私人として事件を調査するよう命令される。
3 岩湯谷駅に到着、地元の迎えと、湯けむり荘での永井夕子とのエッチな出会い
4 調査を開始・・・支線と廃坑と手こぎの台車の話し・・・大湯谷との比較の話し・・・夕子との再会・記者山岡との話し・・・ハンカチが油で汚れた話し・・・トンカツ・エビフライの夕食・・・あなたの姪
5 地元の署長の話・・・子供の目撃の話し・・・子供の見た列車のチェック(私の仮説)
6 石切場に8人が隠されていると考え、夕子と調査に行き、植村美和に出合う。
7 町長との談話。俳句の会(四季会)の話し。
8 美和の証言・・・8人は宿でブルーフィルムを見ていた。
9 美和の死体発見
10 ブルーフィルムのチェック
11 夕子飛び出し、後を生う追い、石切場に・・・犯人達の談合と夕子救出
12 事件の解決・・・夕子との素晴らしい一夜・・・後日談
これをさらに分析すると次のようになる。
1、2、3・・・出だし 4、7・・・伏線(ヒント) 8、10・・・めくらまし
5、6、9・・・捜査と事実の進行 11、12・・・解決編
3、4、11、12・・・夕子との結びつき
凍り付いた太陽
伊豆シーサイドホテル、登場人物は私、夕子、織田女史、スリから足を洗った辰見、竹中綾子と3人のがきっ子、色沼という強請屋。綾子は色沼に何かを種に強請られている風だった、ところが辰見の手引きで綾子の部屋に入ると、そこには色沼の死体。綾子と織田女史が、私が犯人と主張するが、死因がなんと凍死で二人は無罪。じつは母親が脅かされているのをみた3人組が、だまして色沼を冷凍庫に閉じこめ、凍死させた後、番人のじいさんとトロッコで綾子の部屋に死体を運び込んだものだった。
ところにより、雨
夕子の大学で「殺人現場から犯人逮捕まで」の内容で講演することになった私。ところが川島教授の弟子で勉強一本槍の青木が、図書館の階段の下でレインコート、ゴムの長靴、雨合羽というスタイルで死んでいた。次に、やはり川島教授の弟子の中野青年が、同じスタイルで雑木林で死んでいた。今度は川島教授のお母さんが、自宅でやはり同じスタイルで殺されていた。
実際は夫が相手にしてくれない青木夫人が、階段から亭主を突き落として殺した。次に川島教授が、青木夫人を守ろうとして、証拠を握っているらしい中野青年を絵のモデルになってほしいと誘い、雨具を着せて殺害。最後の事件は川島教授のぐうたら弟が、金ほしさから兄の犯行に見せかけて殺害と言う物。いわば似ていると見せかけた3つの不連続殺人劇。
善人村の村祭
12月末、私と永井夕子は、正月休みをのんびり過ごそうと奥秩父のローカル電車に乗り込むが、崖崩れに会い、出合った警視庁の植村刑事のすすめで近くの善人村で過ごす事になった。そこでは村長夫人の肉体サービスまでもでんばかりの丁重なもてなしを受けるが、どうも変だ。そんなおり、1年前に兄がこの村で転落死したという山上青年と出合うが、彼もまた狼に食い殺される。そして突然私と夕子は捕らえられる。彼らは私たちを正月の生け贄にしようとしているのだ。しかし主犯の植村が、山上の兄の恋人に殺され、二人は九死に一生を得る。
r990910