集英社ハードカバー
ある女性に「大変面白い、読んでみたら。」と薦められて読んでみた。壇ふみと阿川佐和子が同じ様な(少し違うときもある。)エッセイをやりとりする形をとっており、そうしたペアーが17、おしゃれな構成である。二人の共通点は後書きによれば一つ、父親の職業が同じ。二つ、出身大学が同じ。そして三つ目は、翔べそうで翔べないところと言うのだが、読後の感じではもっともっと共通点がある感じと思う。二人とも結婚願望の二十ン才(なんだろうなあ、まさか三十路の坂は越えてないと期待するが…)、海外経験が多く、知的レベルが高く、美人らしく、話題が豊富。立派な職業と稼ぎを持つれっきとしたゴーマン女性。
実体験に基づく話を上品にまとめているからそれなりに楽しく肩の凝らぬところがよい。ただ視点はあくまで若い女性で軽いなあ、と感じた。中年を越えた私にはちょっと物足りなく、サラダだけの料理を食わされた様な感じを受けた。いくつかのペアーのさわりを拾うと
1)壇=見合い相手がオコゼにあんまり似ていて失敗した話
阿川=見合いであれが食いたい、これが食いたいと注文をつけ、嫌われた話。
2)壇=阿川の米をとぐ姿をみてあれじゃ嫁に行けぬと思った話。
阿川=その弁解、だけど美味しい飯を食いたければ、米はちゃんととがねばならぬ。
3)阿川=料理が得意の私が調子に乗って子供に見本を見せ、柚木を切った話
壇=子供のできた夫婦を手伝おうと台所に立ったが、コーヒー・ミルの蓋を忘れるなど大失敗した話
4)壇=ブラン・マンジェにあこがれて以来私は時折レシピ通り正確にお菓子を作る。しかし家族にとってはなぜか脅威らしい。
阿川=公開番組で誠意を見せようと1500枚ものクッキーを焼いた話
5)壇=阿川が「恋の法則」なる本を送ってきた。最初のデート代は割り勘にしないこと、ましてやおごったりしないことが大事と知った。
阿川=ありのままの自分を受け入れてくれる人が良い、と信じた私は休みの日は「ぐだぐだしています。」趣味は「寝ることかなあ。」と答えて大失敗
6)阿川=京都で良いお皿を見せられて感心。パーテイで勿体ないから、あり合わせで出し「ごめんね、変なグラスで。」参加者の一人から「僕の結婚式の時の引き出物です。」
壇=男も皿洗いを手伝うべきだ。私は皿洗いが大嫌い。
7)壇=だらしのない男が几帳面な女性と結婚すると、急に潔癖になることがある
阿川=男のスープズルズルもなれてしまえば。やっぱり悪貨が駆逐する。
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